NTTセキュリティ澤田社長「MSSで3年後には世界トップに」

NTTグループのセキュリティ事業を統合した「NTTセキュリティ」。マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)の卸会社として、グループ会社の営業力を活用する。NTT持株の副社長を兼務するNTTセキュリティの澤田純社長は「一元化による効率化や開発力を含めた能力の強化により、3年後には世界トップを目指したい」と抱負を語る。

――NTTグループは8月1日、セキュリティ専門会社としてNTTセキュリティを設立しました。その狙いをお聞かせください。

澤田 NTTグループはこれまでセキュリティに力を入れてきましたが、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)や南アフリカのディメンションデータ、米ソリューショナリーなど買収した企業も含めてグループ各社がバラバラに開発や営業に取り組んでいました。各社ともマネージド・セキュリティ・サービス(MSS)事業を強化していたことから、能力を集約するために一元化しました。

ソリューショナリーとNTTコムセキュリティの全事業、NTTコム、ディメンションデータ、NTTイノベーション・インスティテュート(NTTi3)が保有するMSSプラットフォームを新会社に統合し、効率化を図ります。

新会社はサービス開発・卸会社と位置付け、販売はディメンションデータやNTTコム、NTTデータなどグループ各社の営業力を最大限に活用します。基本的にグループ向けの販売が中心ですが、すでに社外からも要望が来ています。

一元化することで開発、コスト、営業などさまざまな面で効果が生まれると期待しています。

図表 NTTセキュリティの位置付け
図表 NTTセキュリティの位置付け

――新会社として、どのような目標を掲げていますか。

澤田 ある調査によると、MSS分野でNTTは二番手のグループに格付けされています。

「NTTとしてセキュリティサービスは優れたものを持っているが、バラバラで一つにまとまっていないことが評価を下げている」面があったようです。社内向けには、1年以内に一番手の仲間入りをし、3年後には世界でトップを目指そうと話しています。

もともと海外勢と伍していくだけのベースはすでにできあがっていますから、統合による効率化で一番手のグループに入る自信はあります。さらにそこから一歩抜け出すには、開発力を含めて能力に磨きをかけ優位に立つことが必要です。NTT研究所の協力も得て、能力を強化したいと考えています。

月刊テレコミュニケーション2016年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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澤田純(さわだ・じゅん)氏

1978年4月日本電信電話公社入社。98年2月NTTアメリカバイスプレジデント。2000年5月NTTコミュニケーションズ株式会社経営企画部担当部長。03年10月同関西支店長。06年6月同経営企画部長。08年6月同取締役経営企画部長。11年6月同常務取締役経営企画部長。12年6月同代表取締役副社長 経営企画部長。13年6月同代表取締役副社長。14年6月日本電信電話株式会社 代表取締役副社長(現在に至る)。16年6月NTTセキュリティ株式会社 代表取締役社長兼務(現在に至る)

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