5Gとの連携で注目されるVR――モバイルコンテンツの次の切り札になるか

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使い、あたかも現実のような空間を見せるVR。5Gとの連携という意味でも注目が集まる。モバイル市場における最新動向と課題を紹介する。

VR(バーチャルリアリティ)が、モバイルの“次”を担うコンテンツとして、にわかに注目を集めている。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用し、現実のような空間を見せる仕組みが、狭義のVRだ。モバイルの場合、スマートフォンを装着するゴーグルを利用するのが一般的。映像が360度広がり、センサーによって首の動きに追随するため、あたかもその場にいるかのような“没入感”を体験できる。

据え置き型のVRは、スペックが高く、解像度や追従性がいいため、より没入感を得やすい。一方でデメリットもあり、一般のユーザーがまず持っていないハイエンドなPCが必要だったり、ケーブルでつながなければならず、煩雑になりやすい。モバイルVRはまさにその真逆で、スペックはハイエンドなVRに勝てないものの、ケーブルレスで取り回しがしやすく、コンテンツも場所を選ばずダウンロードできる。また、何よりも多数のユーザーがすでに手にしているスマートフォンを、ほぼそのまま利用できる手軽さがある。

ただ、一口にモバイルVRと言っても、その性能の幅は広い。最も手軽なのが、ダンボールをゴーグルとして使う「ハコスコ」や「Google Cardboard」といった製品。箱にはレンズがついているだけで、センサーなどはすべてスマホ側のものを利用する。あくまで簡易的なVRだが、お試し用として人気を博しており、Google Cardboardは、2016年1月時点で、すでに500万個を販売している。これよりやや高級な製品として、プラスチックなどを使ったHMDがある。

さらに上には、HMD側にセンサーを持たせ、より精度を高めた製品も存在する。サムスン電子の「Gear VR」がそれだ。同社は「Galaxy S6/S6edge」を装着して利用する、「Gear VR」を米国に本社を置くOculusと共同で開発した。OculusはVRの先駆者として知られる企業で、現在はFacebook傘下となっている。この本格的なVR体験をモバイルに移植したのが、Gear VRだ。

月刊テレコミュニケーション2016年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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