外出中の活動量もIoTで把握――健康づくりを支援できる高齢者見守りサービス

高齢者を遠くから見守りながら、健康増進や未病管理も支援できる。そんなアクティブシニアにも有効な高齢者見守りサービスを、医療機器メーカーの日本光電工業が開発した。

「そろそろ暑くなってきたな。独り暮らしの母は、ちゃんとエアコンを使っているかな?」「父は毎日、ウォーキングに出かけているけれど、無事に帰宅しているか心配」――。

高齢の親と離れて暮らしている家族は、常日頃このような気がかりを抱いている。根底にあるのは、親にいつまでも健康でいてもらいたいという気持ちだ。

医療機器メーカーの日本光電工業は2015年12月、IoT技術を活用してその気持ちに応える高齢者見守りサービス「SUKOYAKA」を開始した。

これまで日本光電は、心電図や心拍数、血圧、体温といったバイタルサインをモニタリングする「生体情報モニタ」などの医療機器を、病院やクリニックなどの医療機関に提供してきた。そうしたなか、独り暮らしの高齢者が近年増加していることを受け、同社は新たに一般消費者向けサービスとして、高齢者をゆるやかに見守るSUKOYAKAを開発した。

「独り暮らしの高齢者が増えているが、その8割は医療・介護を必要としないアクティブシニアと言われている。気持ち・体力ともに充実しているという意識を持ち、『自分は健康』と思っている。一方で、子供の側は独り暮らしをしている親が心配で、『見守りたい』と考えている」。同サービスを立ち上げたリレーションビジネス推進部ウェルケア営業部部長の久保崇氏は、開発背景をこのように語る。

日本光電工業
日本光電工業 リレーションビジネス推進部 ウェルケア営業部 部長の久保崇氏(左)と、医療機器事業本部 第四技術部 部長の斧嘉伸氏

離れている親がどのように暮らしているか家族がわかるようにし、また、独りで暮らしている親も家族から見守られることで日々を安心して過ごせる。

住環境と活動量をモニタリングSUKOYAKAは、ホームステーションと活動量計、専用Webサイトで構成されている。ホームステーションを購入し、高齢者が普段過ごしている居間などの部屋にそれを設置する。ホームステーションはペットボトルほどの大きさで、その内部には温度センサや湿度センサ、照度センサ、動きセンサが組み込まれている。温度センサと湿度センサ、照度センサが高齢者の部屋の環境をモニタリングする。

動きセンサは、高齢者が屋内でどれくらい活動しているかを測定する。一般的に、見守り機器に搭載されているセンサの機能は部屋に人がいるかいないかを把握すること。それに対して、「SUKOYAKAに搭載した動きセンサは、独自のアルゴリズムで室内での活動量を把握する」(久保氏)。

SUKOYAKA 部屋の環境と高齢者の活動量をモニタリングするホームステーション「TH-101I」。活動量を取得する動きセンサに加え、室内の温度・湿度・照度をモニタする環境センサや3G通信モジュールを内蔵

屋外での活動量は、活動量計を用いて計測する。ポケットに入れるなどして携行すれば、屋外における歩数などの活動量を測定できる。帰宅したらホームステーションに差し込む。

屋外の歩数や運動の強度を測定する活動量計「TW-101I」
屋外の歩数や運動の強度を測定する活動量計「TW-101I」。主に外出時の活動状況(歩数、中強度活動時間など)を測定

各種センサと活動量計が計測した温湿度、照度、活動量などのデータは、ホームステーションに組み込まれた3G回線を経由して、日本光電のSUKOYAKAシステムに送信される。家族は専用Webサイトにアクセスすれば、部屋の環境、高齢者の活動情報を確認し、遠くにいながら親がどのように暮らししているかを知ることができる。

月刊テレコミュニケーション2016年6月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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