IT部門の存在意義が問われて久しい。求められているのは、ビジネスにより直接的に貢献できる組織への変革だが、そうしたなか以前からビジネス価値の創出に積極的に取り組んできたのがインテルのIT部門だ。
同社のIT部門では毎年、その1年間の成果を報告するアニュアルレポートを作成・公表。それに併せて記者説明会を開くのが恒例となっている。今年は3月25日に開催されたが、今回のレポートのタイトルは「舞台裏から役員室へ(From the Backroom to the Boardroom)」だ。
「世の中では、破壊的なテクノロジーが次々生まれ、新しいマーケットが定義されるとともに、さまざまなプロセスを変革している。IT部門の活躍できる場所は増えており、従来のイメージのマシンルームから役員室へとどんどん広がっている。実際インテルのCIOは、経営戦略に関する議論に参加するため、何度も役員室に呼ばれている」
「舞台裏から役員室へ」というタイトルにこめた意味について、インテル 情報システム部 APAC and Japan 地域部長の邸天意氏はこう説明した。
IT部門の人員は6300名、従業員1人当たりのIT支出額は1万3000ドル約10万人の従業員が働くグローバル企業であるインテル。当然、IT部門も非常に大きな組織だ。IT部門の人員は拠点数の増加などに伴い、2015年は約250名増えて6319名になっている。
その一方で、従業員1人当たりのIT支出額は前年より500ドル減の1万3000ドル、収益に対するIT支出額の割合も前年から0.1ポイント減の2.5%と、コスト面での改善が進んでいる。
インテルのIT部門の概略
ただ、本当に重要なのは、コストのバランスを取りながら、いかにビジネス価値を創造していけるか、である。邸氏は「生産性」「デジタル化」「サイバーセキュリティ」の3つの観点から、インテルIT部門の2015年の取り組みを紹介した。