収集されるデータは、(1)観光地や飲食店、宿泊施設等の「観光関連データ」、(2)スキー場やスケート場等の競技場データ(内部施設の情報含む)と競技結果・選手データ等から成る「競技データ」、(3)札幌市営地下鉄、市電、北海道中央バスの時刻表・運用情報、リアルタイム位置情報等のほか、NEXCO東日本から提供される高速道路サービスエリア情報も含む「交通データ」、および札幌駅地下街の地下道図面など。これらのデータをアプリケーションから直接取得できるようAPIを提供する。なお、6か国語で情報を提供し、APIの利用ログを解析することにより、情報の取得状況やニーズの解析にも利用できる。
また、札幌駅地下街と、雪まつり会場となる大通公園には、アプリ利用者の位置を測位するためのBLE ucodeビーコンも設置。スマートフォン等をもって近づくと、その場所の案内が自動的に配信されたり、雪まつりの雪像の情報を利用者の位置に合わせてプッシュ配信することができる。
IoT連携で観光案内や電車・バス運行を配信
この札幌観光オープンデータを使うと具体的にどのようなサービスが可能になるのか。活用のモデルとしてYRP UNLが、外国人観光客向けのポータルアプリ「ココシルさっぽろ」を開発した。
観光看板の前に立つと、手元のスマートフォンにより詳細な情報が提供される
そのうち特徴的な機能が「スマホ観光看板」。観光地の地図を表示した看板の前に立つと、表示内容が多言語で手元のスマートフォンに表示されるというものだ。地図情報や経路案内、公共交通の利用方法等を提供し、外国人観光客が足を運びやすくする。なお、市電やバスのリアルタイムな位置、運行情報も同じアプリ上で確認することも可能だ。市内の看板から電波を発信し、さらに電車・バスなどからリアルタイムに情報を取得して活用するIoTによって、価値の高い情報を提供する。
ジャンプ競技に詳しくない人でも楽しめるように選手や競技に関する情報をスマートフォンに配信
FIS ジャンプワールドカップ2016札幌に関する機能としては、大会中に、滑走する順番で選手のリストを表示。さらに、競技場の説明やジャンプ競技の得点計算の方法、ルール等も多言語で提供し、ジャンプ競技に詳しくない人でも楽しめるようにする。
YRP UNL所長で東京大学教授の坂村健氏はココシルさっぽろについて、「オープンデータをどう活用すればよいかを開発者に知ってもらうためのサンプル」と説明。「多くの開発者に参加していただき、さまざまなサービスを生み出してもらいたい」と期待を述べた。