KDDIがエリア・通話品質向上の取り組みを紹介

KDDIは2010年7月28日、エリア・通信品質向上の取り組みに関する説明会を開催した。

同社商品開発統括本部モバイルネットワーク開発本部長の湯本敏彦氏によると、WINサービスの月間データトラフィックはこの3年間で約3倍に増加している。その9割をEZwebが占めており、特にYouTubeなどの動画系、モバゲーなどのSNS系がトラフィックの伸びを牽引している。また利用頻度では、メールの送受信が7割を占め、デコレーションメールの普及や添付メールの容量拡張により、リッチ化する傾向にあるという。そこでKDDIでは、「エリア」「インフラ」「移動機」の3つの観点から、お客様満足度の向上に向けたさまざまな取り組みを行っている。

KDDI商品開発統括本部モバイルネットワーク開発本部長の湯本敏彦氏

まずエリア・インフラ対策としては、2009年6月に電波調査サービス「みんなでつくろう!auエリア」を開始した。auエリアサポートセンターに寄せられた要望に対し、原則48時間以内に対応。指定した日時に調査員が電波調査に訪れ、調査結果を基に「auレピータ」「auフェムトセル」「簡易アンテナ」を使った改善策を提案している。ユーザーから寄せられた要望の80%が自宅に関する内容であり、例えばauレピータ設置により通話発信時の接続時間が約40%短縮するなど通話品質が改善することで、訪問先のお客様満足度は94%に達しているという。

このほか、全国の地下鉄や鉄道におけるメールやEZwebの品質向上にも取り組んでいる。SNSのように頻繁にアクセスするトラフィックが増加しているが、こうしたトラフィックはアクセス回数こそ多いが上りの実データはそれほど多くない。そこで基地局が上りの混雑を検知すると、移動機にスループットを下げるように指示する仕組みや、スループットを下げずに早く届けるように基地局の設定変更を実施した結果、山手線の膳駅で添付メール送信時間が約40%短縮した。

また、地下鉄では電車入線時にバーストトラフィック(ある一定の帯域を越えて発生する超過トラフィック)が発生し、一時的に繋がりにくい状態になる。KDDIでは瞬時のトラフィック増に着目した設計基準を設定し、基地局のチャネル増強を実施したところ、東京メトロおよび都営地下鉄駅ホームでEZwebへの接続時間が約40%短縮したという。

さらに、移動機の品質向上の取り組みとして、夏モデルの「BRAVIA Phone S004」と「REGZA Phone T004」はKCP3.0を搭載することで、メール送信時間が約20%、検索サイト接続時間が約30%それぞれ短縮した。

KDDIは今年の秋冬モデルから、EV-DOマルチキャリアに対応した端末を投入する。マルチキャリアは1台で複数のキャリアを同時に利用することで、従来のRev.Aでは使い切れていなかったスロットを有効活用し、高速化する。通信速度(理論値)は下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsで、メールやEZwebがさらに快適に利用できるようになるという。

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