つながりやすさとユーザーの立場に立った提案が決め手に最初はフィーチャーフォンの導入を検討していたという同社。つながりやすさの問題を解消するだけなら、フィーチャーフォンで十分だったためだ。しかし、「検討を進めていくなかで、『やっぱりiPhoneがいいよね』となっていきました」と加藤氏。iPhoneなら、PHSやフィーチャーフォンにはできない、様々なことが実現可能だからだ。
課題はコストだったが、今まで契約していた現場用ケータイは不要になる。また、iPhoneにはテザリング機能があるから、ノートPC用に使っていたモバイルWi-Fiルーターも解約できる。iPhone導入の唯一のネックだったコストにも一定の目処が立った。
となれば、残る問題は、どの通信事業者のiPhoneを選ぶか。また、iPhoneを内線端末化するケータイ内線サービスも、セットで選ばなければならない。
「ケータイ内線サービスの機能やコストは、かなり細かく比較しました。つながりやすさに関しても、実際に建設現場でテストするなどして入念に調査しました」とエンジニアリング本部 電気計装部の中川広大氏は語る。
その結果、最も優れていたのがKDDIだったことから、クラレエンジニアリングは約100名の正社員全員にKDDIのiPhoneを配布するとともに、KDDI ビジネスコールダイレクトを導入した。契約社員や臨時従業員など向けには、フィーチャーフォンを採用している。
エンジニアリング本部 電気計装部 中川広大氏 |
なお、中川氏は単純なコストや機能だけではなく、「KDDIの営業さんが一番、うちの立場に立って提案してくれたこと」も大きな決め手になったと話す。クラレエンジニアリングの特徴である「お客さんの立場に立ったプラント建設」と同じ姿勢を感じたのだ。