企業が絶対に知っておくべき「モバイル・テクノロジ」のトップ10(後編)

あらゆる企業が2015~2016年に自社のレーダーで捉えておくべきモバイル・テクノロジのトップ10を、ガートナー最上級アナリストのニック・ジョーンズ氏が解説した。後編では「新しいWi-Fi標準」や「エンタープライズ・モバイル・マネジメント」など、残りの5つを見ていく。


企業が絶対に知っておくべき「モバイル・テクノロジ」のトップ10(前編)はこちら

<6>新しいWi-Fi標準

ガートナーでバイスプレジデント兼最上級アナリストを務めるニック・ジョーンズ氏が、企業が2015~2016年に注目しておく必要があるモバイル・テクノロジの6番目として挙げたのはWi-Fiだ。「Wi-Fiというと、非常に成熟していてつまらないと思うかもしれないが、いろいろ興味深い動きがある」。高速なリンク確立を実現するIEEE802.11ai、3Gbps超のスループットを実現するIEEE802.11ac Wave 2、IoT向けのIEEE802.11ahなど、様々な新しいWi-Fi標準がこれから登場する。

新しいWi-Fi標準

こうしたなか、企業が特に留意する必要があるのは、Wi-Fiの容量拡大のための技術だという。

「先日、ガートナーの会議がヨーロッパであったが、少なくとも1人3台のWi-Fiデバイスを持っていた。平均的な社員は今後おそらく5台のWi-Fiデバイスを持つことになるだろう。オフィスにおけるWi-Fiの需要は、ますます増大していく」

Wi-Fiの容量を拡大するうえでは、11acや11adの導入、アクセスポイントの高密度配置などが有効だ。

<7>エンタープライズ・モバイル・マネジメント(EMM)

「今まではWindowsだけだったが、今後Windowsはマイノリティになり、AndroidとiOSが増えてくる」。デバイスやプラットフォームの多様化、さらにはBYODの普及も進むなか、従来のIT管理手法は崩壊しつつあるというのが現状だ。

このように複雑化するIT管理に対して、何か解決策はあるのか。ジョーンズ氏は「エンタープライズ・モバイル・マネジメント(EMM)を利用することによって、IT管理は楽になる」とした。

EMMは、MDM(モバイルデバイス管理)や業務用データ/アプリのコンテナ化、企業向けファイル共有、DLPなど、モバイル時代のIT管理に必要な様々な機能を統合的に提供するものだ。

「すべてを管理するためには、EMMという技術が必要になる」

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