2035年にはネットワークトラフィック全体の25%をAI推論が占める──。シスコシステムズはレポート「AI Impact on Wide Area Networks: Cisco2026 report」でこう予測した。AI推論トラフィックの絶対量は現状、動画配信などと比べればまだ小さいが、AIエージェントの普及によって今後大きく伸びていくとの見立てだ。
さらに、シスコシステムズ 執行役員 アジアパシフィック・ジャパン・チャイナ地域 ネットワーキング事業統括の高橋敦氏は、「AIエージェントの台頭によって、トラフィックの量だけでなく、上下方向の比率や継続時間も変わる」と語る。ここでの「継続時間」とは、送信元・宛先などが共通する一続きの通信、いわゆる「フロー」の長さのことだ。人間が生成AIに質問し、回答を受け取るだけの単純な往復とは異なり、AIエージェントは目的を達成するまで推論と外部アクセスを繰り返す。
同社 執行役員 セキュリティ事業担当の西原敏夫氏はこう表現する。「AIエージェントはマシンスピードで動くため、平日9時から17時という人間の勤務時間に縛られず、24時間365日稼働し続ける。通信量はスパイクするのではなく、高い水準に張り付くようになる」
また、AIエージェントの本格利用では、「複数のAIエージェントが連携し、1人のユーザーの背後で多数の推論が走る」ようになると、ネットワンシステムズ ビジネス開発本部 イノベーション推進部 ビジネス開発チーム エキスパートの片山千穂子氏は説明する。現在はコーディング支援など、単体のAIエージェントが先行している。今後は、1つのエージェントがタスクを複数に分解して別のエージェントへ割り振ったり、企業の調達用エージェントと取引先の受注用エージェントが連携したりする利用も想定される。









