sXGPでクレーン無線の混信抑制 NEC通信システム・竹中工務店が開発

高層ビルの建設には、資材運搬にクレーンが欠かせない。そのオペレーターと吊り荷の掛け外しを行う作業員の音声連絡に用いる「玉掛合図無線システム」をNEC通信システムと竹中工務店が開発した。

レンタル提供もすでに開始

同システムは自社利用にとどまらず、6月にはアクティオがレンタル提供を開始した。同社では建設現場向けにトランシーバーやStarlinkなどの通信機器を貸し出すなか、玉掛け無線についても相談が日常的に寄せられている。同社 通信ICT事業部 主査の伴望氏は、同システムを「使ってみたい」との反応が得られていると語る。ニーズは都市部に限らず、同社 西日本支社 営業部 営業専門部長の南川洋一氏は、「地方でも要請は多い」とみている。

(左から)NEC通信システム クロステクノロジー部門 クロスイノベーション統括部 プロフェッショナルの谷神敏明氏、竹中工務店 西日本機材センター開発グループ チーフエンジニア 松原拡平氏、アクティオ 西日本支社 営業部 営業専門部長 南川洋一氏、同社通信ICT 事業部 主査 伴望氏

(左から)NEC通信システム クロステクノロジー部門 クロスイノベーション統括部 プロフェッショナルの谷神敏明氏、
竹中工務店 西日本機材センター開発グループ チーフエンジニア 松原拡平氏、
アクティオ 西日本支社 営業部 営業専門部長 南川洋一氏、同社通信ICT 事業部 主査 伴望氏

今後は、タワークレーンの遠隔操作との組み合わせも想定する。竹中工務店は、鹿島建設、アクティオと共同開発した遠隔操作システム「TawaRemo」と同一現場で運用し、両システムが互いに支障なく使えることを確認した。現時点では独立したシステムだが、連携も検討する。

さらに谷神氏は、同システムの将来的な拡張用途として映像伝送を挙げる。sXGPは2024年3月に最大10MHz幅が利用可能になっており、ドローン映像を作業状況の把握や安全管理に活用できる可能性がある。IoTデバイスの収容も視野に入れる。

課題はコストだ。APに加えコア設備が必要なため、現時点の費用は従来の特小無線機のおよそ2倍で、設置作業も発生する。松原氏は「普及に伴って費用は下がっていく」と期待する。

玉掛合図無線システムは、内線電話用途のイメージが強かったsXGPを、条件の厳しい屋外現場へ展開した事例だ。同システムの応用が広がれば、sXGPが建設現場の共通通信基盤に進化する可能性も見えてくる。

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