NTT(持ち株)は11月7日、2015年3月期第2四半期の決算を発表した。上期(4~9月)の営業収益は前年同期比2.0%増の5兆3737億円、営業利益は同9.5%減の5909億円、純利益は同10.3%減の2903億円となった。営業収益は5期連続の増収だが、営業利益は減益に終わった。
営業収益は5期連続の増収となった |
営業利益の減益は、ドコモの減益の影響がそのまま反映された。グループ各社の状況は、東日本の経常利益は前年同期比12%増の749億円、西日本は同46%減の139億円、コミュニケーションズは同14%減の620億円、データは同85%増の195億円だった。
決算の特徴は、営業収益を牽引しているのはディメンションデータをはじめグローバル・クラウドサービスの拡大で海外事業が成長していること。海外売上高は29%の成長だ。他方、国内ではネットワークサービスの競争力強化が図られており、固定も移動もユーザー基盤を拡大しているが、ドコモの新料金プラン導入などにより収益は落ち込んでいる。コスト削減も進められているが、年間目標の1900億円減にたいして、900億円減にとどまった。
質疑応答では、ドコモの減益と光回線卸に質問が集中した。
質疑応答に応える鵜浦博夫社長 |
NTTの鵜浦博夫社長は、ドコモの減益を「単年度だけで評価するつもりはない」と語り、減益の最大の要因となった新料金プランは将来をみすえた中長期戦略であり、「ユーザーに支持された大ヒット商品であり、待ち望まれた商品である」と評価し、ドコモのユーザー基盤は予想を上回る勢いで拡大しているとした。長期利用ユーザーを大切にする策はドコモの将来の再建に寄与するとの見解を示した。
東西の光サービス卸売り「光コラボレーションモデル」の準備は順当に進んでいるとし、100社超と秘密保持契約を結び、具体的なサービス開始の検討に入っていることを明らかにした。また、公正競争、透明性確保については、懸念自体があたらないとし、当然、透明性は担保されると述べた。
セット割の負担がドコモに集中するのではないかという危惧に対しては、新たなサービスの提供で固定・移動ともに収益の回復につながるという見通しを示した。
中期経営戦略では「B2B2Xビジネス」の拡大などを目指す |
中期経営戦略「新たなステージをめざして」の次のバージョンとして「2.0」を来年の4月ごろを目安に準備していると明らかにした。(1)グローバル・クラウドサービスの利益創出スピードを加速、(2)ネットワークサービスの収益力強化、(3)「B2B2Xビジネス」の拡大などを検討していると語った。