インヴェンティットの目黒氏が登壇したのは、「実際のIoTシステム・サービスを探る」と題した講演。技術や概念を知る段階を過ぎ、実際にビジネスにIoTやM2Mの技術を採り入れていこうとしている企業に向けて、「実際のシステムをどう作るのか、どう運用していくのかを紹介する」というものだった。
IoT/M2M技術活用を阻む3つの課題
目黒氏はまず、IoT/M2Mに取り組むに当たっては3つの課題があると語った。1つ目はデータの取り扱いに関する課題。「基本的にユーザはクラウドにデータを預けることに不安を感じています。法や制度で担保していくしかありません」と、ビジネス環境の成熟に期待を表した。
2つ目の課題はセキュリティだ。IoT/M2Mシステムではセンサー機器、ネットワーク、クラウドやサーバと、各レイヤーにアプリケーションが組み込まれる。「まだ現場ではそれほどセンシティブになってはいないが、意識しなければならない部分が多いのがIoTシステムの特徴」だと目黒氏は言う。
3つ目の課題は、IoT/M2Mシステムそのものが内包する課題だ。目黒氏は次のように課題について解説した。
「システム全体が多様な機器の連携で成り立っているので、システム構築や運用に多様な技術が必要です。当然インテグレーションも複雑になり、幅広いレイヤーの技術を知らなければ最適化できません」
IoT/M2Mシステムはセンサーデバイス、センサーネットワーク、ゲートウェイ、WAN、クラウド、モニタリングアプリケーションに分析アプリケーションと、多くの異なるレイヤーの技術が組み合わさって構築される。各レイヤーごとに選択肢があり、最適な組み合わせを実現するだけでも困難だ。(図表1)
図表1 主な構成要素 |
「しかも技術の進化が早い世界であり、その複雑なシステムを成長させ続ける必要がある」と目黒氏は続ける。ビジネスにもたらすベネフィットを検証し、新技術を採り入れ、ビジネスプラットフォームとして成長させ続けなければならないのだ。機能拡張のたびに再構築が必要なシステムや、用途ごとにサイロ型のシステムを重複して開発しなければならないようでは、時間やコストに大きな無駄が生じてしまう。(図表2)
図表2 課題3-3 IoT/M2Mシステム |
3つの課題のうち前者2つは法制度やプレイヤーの成熟がカギを握っているが、最後に挙げたIoT/M2Mシステムそのものが持つ課題は技術で解決できる。そしてそれを解決するのが、インヴェンティットが提供するアプリケーションプラットフォーム「ServiceSync」だ。