IoT/M2Mカンファレンス2014 講演抄録統合型プラットフォームでIoT/M2Mの課題を打ち破る

2014年10月3日に都内で開催されたIoT/M2Mカンファレンス2014において、インヴェンティット株式会社はIoT/M2Mに取り組むための効果的なアプローチを示してみせた。登壇した目黒 学氏はIoT/M2Mはインテグレーション技術が複雑化していると指摘、タイムリーにビジネスに取り入れるためには統合型プラットフォームの活用が効果的だと語った。

システム面での課題を解決する水平統合型プラットフォーム「ServiceSync」

インヴェンティットのアプリケーションプラットフォームServiceSync(http://www.servicesync.net/)は、IoT/M2Mシステムの構築に欠かせないデータの収集、活用のためのAPIを持つ。そのカバー範囲は、ゲートウェイからサーバー、プラットフォーム、WebアプリケーションAPIまで。「プラットフォームを一から開発する必要がないので、通信キャリアのWANと組み合わせれば、IoT/M2Mシステムを短期間、低コストで開発できます。しかもプラットフォーム側で新技術を採り入れ続けるので、機能の追加やカスタマイズも容易」だと目黒氏は語る。

ServiceSyncは同社のMDM製品「MobiConnect」にも使われており、同製品は国内MDM市場でトップシェアを獲得している。目黒氏は「キャリアサービスレベルの安定性と、常に最新の機能を取り込んでいく柔軟性、情報収集だけではなくデバイスコントロールも得意なことが、既に市場で証明されている」と胸を張る。

必要な要素がServiceSyncに実装されているので、あとはセンサーデバイスとWAN契約、アプリケーションを用意するだけでIoT/M2Mシステムを構築できる。主要な機能は次の通りだと、目黒氏は紹介した。(図表3)

図表3 製品概要
製品概要

・デバイス管理
Any Deviceを標榜しており、モバイル、PC、スマートフォンなどなんでもつながり、管理できる。アプリケーションのリモート配信も可能だ。

・アプリケーション開発/管理
分析側だけではなくセンサー機器側にもアプリケーションは必要だ。ServiceSyncはセンサー機器へのアプリケーションのリモート配信も可能なので、拡張性が高い。

・セキュリティ
不正なユーザやアプリケーション・ライブラリを排除し、セキュリティを確保するためのユーザ管理機能を搭載している。

・フィルタリング

収集した情報をすべて蓄積するのではなく、フィルタリングにより閾値を超えたデータのみを蓄積することで分析アプリケーションの負担を軽減したり、連携先システムのデータベース負荷を軽減する。(近日搭載予定)

組み合わせる分析アプリケーションは、WebアプリケーションAPIを使って開発するか既存のSFAやBI製品と連携させることが可能だ。既に稼働中のシステムやサービスに、少ないコストでIoTの機能を活かしたサービスを追加するためにも使えるだろう。

サーバはオンプレミス、クラウド、プライベートクラウドのいずれにも対応する。「クラウドなら低価格、短期間でスモールスタートが可能なので、ビジネスにおけるIoT/M2Mのポテンシャルをはかるためのトライアルにも使ってもらえるはずです」と目黒氏はアピールする。

実機を使ったデモンストレーションは事例紹介も

セミナーの終盤には、手元のノートPCの画面を投影してデモンストレーションも行なわれた。展示ブースに置かれたセンサーから送られてくる温度や湿度などの情報を、リアルタイムに画面に表示。さらに、マウスで簡単に操作するだけでそれらを時系列の折れ線グラフとして表示して見せた。(図表4)

図表4 実機を使ったデモンストレーション画面
実機を使ったデモンストレーション画面

導入事例としては、太陽光発電のエネルギー効率監視やEVステーションの監視、食品倉庫での温度管理などが紹介された。「食品の温度管理からM2Mに取り組み始め、その後配送車両の管理もしたいという要望が出たら、同じServiceSyncプラットフォーム上で機能を拡張することもできます。統合型プラットフォームを活用しているからこそ得られる柔軟性」だと、事例に加えて語り、目黒氏はプラットフォームを使うメリットをわかりやすく解説した。

事例を紹介したのち、IoT/M2Mのポテンシャルを感じさせる面白いデモンストレーションも行われた。タブレットにセンサーボードを接続し、加速度センサーと静電タッチセンサーのデータを50ミリ秒単位で収集するというもの。目黒氏がひらひらと動かすタブレットに合わせ、会場のスクリーンには3Dモデルがくるくると角度を変えて表示されていた。「ServiceSyncはHTTPだけではなくMQTTというM2Mに適した軽量なプロトコルに対応しているので、このようなリアルタイムなデータ収集も可能」なのだという。

「IoT/M2Mには多くの可能性がありますが、課題もまだ存在しています。しかし徐々に環境は整いつつあります。中でも開発にかかる時間やコスト、継続的な開発と運用といった負担の解決には、プラットフォームの活用が有効であることを、今日は覚えて帰ってください」

そう語って、目黒氏は講演を締めくくった。

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