サービスロボットが急成長
なかでも、人の生活・業務を支援するサービスロボットが今後、グローバル・日本の双方で急成長するとMRI先進技術センター 主席研究員の松本昌昭氏は展望する。

三菱総合研究所 先進技術センター 特命リーダー 兼 インフラ・都市政策本部 都市・インフラDXグループ
主席研究員 博士(工学) 松本昌昭氏
現在は工場等で稼働する産業ロボットがAIロボット市場を牽引しているものの、2030年にはサービスロボットの市場規模が産業ロボットを上回り、2050年には市場全体の約7割を占めるまでに拡大する。産業ロボット市場も成長を続けるが、それ以上の勢いでサービスロボット市場が伸長するというのがMRIの見立てだ。
身体作業を伴う労働は生産分野とサービス分野に大別されるが、2025年時点の労働力不足のうち、約7割をサービス分野が占めるという。ホテルや外食産業、医療機関等における慢性的な人手不足がサービスロボット需要を押し上げると松本氏は見る。 富士経済 インダストリアル・プロダクツ事業部の山下海氏も、「2030年にはヒューマノイドロボットが最大市場になり、サービス分野でも幅広く活用されるようになる。2035年頃には、調理やレジ、清掃などで一定のスキルを獲得し、自律的に作業をこなせるようになるのではないか」と予想する(図表3)。産業ロボットは工場内での利用が中心で、今後も市場は拡大するものの、成長率は比較的緩やかになる。
図表3 ヒューマノイドロボットの業界別導入見通し・導入を左右する要因

一方、サービスロボットは配膳や配送、警備、清掃など幅広い用途への展開が見込まれ、市場は大きく拡大していく。2030年頃まではアームや足を持たない一般的なAIロボットが中心だが、2035年以降は車輪付きのセミヒューマノイドロボットや四足歩行ロボットなどもサービス分野へ浸透していく見込みだ。
では、サービスロボットはどのような領域から導入が進んでいくのだろうか。MRI 先進技術センター チーフコンサルタントの中村裕彦氏は、「警備や設備点検など、人との接点が少ない業務から活用が広がり、次第に人と密接に関わる医療分野などにも拡大していくだろう」と話す。

三菱総合研究所 先進技術センター チーフコンサルタント 博士(理学) 中村裕彦氏
富士経済 同部 課長の竹内文哉氏は、「国産ヒューマノイドロボットの導入が比較的早く進むのも、人の立ち入りが難しい現場での点検業務や警備、防衛といった分野が有力と見ている」と語る。










