――通信事業者のネットワークの機能を仮想化するNFV(Network Functions Virtualization)への関心が高まってきました。HPはこの分野に特に力を入れているベンダーの1つです。
スライター NFVのビジネスではHPは非常に有利な立場にあるといえるでしょう。ネットワーク分野とIT分野は、従来は完全に分かれていました。NFVの登場により、この2つが統合されようとしています。両方の分野の技術と経験を持っているHPは、通信事業者のニーズのすべてに対応することができるのです。
ヒューレット・パッカード エンタープライズサービス コミュニケーション&メディアソリューションズ(CMS)バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー デイビット・スライター氏 |
――NFVでは、どのような取り組みをしているのですか。
エドルンド 今、我々が注力しているのが、当社の幅広いラインナップを活かして、通信事業者の要望にトータルで応えられる体制を作ることです。当社が製品を持っていない分野にも他社との協業によって対応できるように、2月に「OpenNFVプログラム」を発表しました。
これは、HPが想定しているNFVの全体構成を示した「参照アーキテクチャー」を策定し、全体を統合するオーケストレーターなどのキーモジュールのAPIなども開示することで、異なるベンダーの仮想化された機能モジュールを組み合わせても問題なくネットワークが構築できるようにしようというものです。
同社 CMS CTO ジェフ・エドルンド氏 |
――マルチベンダー環境でNFVのネットワークを構築できるようにするということですか。
エドルンド そうです。通信事業者はネットワーク機器を同一のベンダーからセットで調達されることが多いと思いますが、NFV時代になれば、多くの選択肢の中から性能や価格などを検討して最良の製品を導入することが可能になるはずです。