シスコシステムズは現在、「コラボレーションをシンプルに」を旗印に、ビデオ会議ポートフォリオの刷新を進めているところだ。その第1弾となったのが今年3月の「Everyルーム」。会議室用のビデオ会議端末、Cisco TelePresence SXシリーズとMXシリーズをリニューアルした。
そして7月1日、第2弾として発表されたのが「Everyデスク」である。個人のデスクに設置して利用するコラボレーション端末「DX80」と「DX70」を投入する。
「Cisco DX80」を紹介するシスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏。DX80は23インチ、DX70は14インチディスプレイを搭載する |
新DXシリーズがもたらすコラボレーション体験について、シスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏は、iPhoneを例に説明する。
かつて私たちは、ガラケーやPDA、デジタルカメラ、iPodなど、多くのデバイスを持ち歩いていた。こうした状況を一変させたのがiPhoneである。「iPhoneのユーザーエクスペリエンスを一度体感すれば、たくさんのデバイスを持ち歩くという世界にはもう戻れない。これが最上のユーザーエクスペリエンスだと思っている」とマッティー氏。
DX80/DX70は、iPhoneが起こした変革を、今度はオフィスの個人デスクの上で起こそうというものだ。デスクの上に、固定電話機やWeb会議用のカメラ、ヘッドセット、スピーカーなど、様々なコラボレーション用の機器が載っているという人は多いだろう。これらを1つにまとめ、最上のユーザーエクスペリエンスを提供しようというのがDX80/DX70である。
DX80/DX70は、電話機であり、ビデオ会議端末であり、Android端末でもあり、さらにPC等と接続して外部ディスプレイとしても使える。つまり、1台4役。ディスプレイはタッチパネルになっており、タッチ1つでビデオコールなどを行うことが可能だ。また、カメラ映像を映し出したウィンドウを、ディスプレイ内の好きな場所にタッチ操作で動かせるなど、タッチインターフェースに最適化されたUIともなっている。
さらに、Android端末であるので、例えばブラウザや仮想デスクトップなど、様々なAndroidアプリをDX80/DX70上で利用することも可能だ。
DX80のユーザーインターフェース |
デスク周辺には、同僚の声など様々な音が飛び交っている。DX80は、こうした音を拾わないための「インテリジェントオーディオ機能」を備えているのも特徴だ。マイクは画面下部に搭載されているが、周辺の雑音をキャンセルするようになっているという。記者会見では、iPhoneから音楽を流してデモを実施。iPhoneがビデオ会議の画面内に入っていると音楽の音量は大きいが、カメラの枠から外れると、急に音量が小さくなり、再び画面内に入るとまた音量が増大することが確認できた。
市場価格は、「DX80が大体30万円から、DX70が20万円台から」(マッティー氏)とのこと。9月から販売を開始する予定だ。