ビジネス目標の達成のツールにも活用可能
SOCの最終的な役割は、通信事業者や企業のビジネス目標(KBO: Key Business Objectives)を実現することにあります。そのためには、例えば「ローミングコストを引き下げたい」「CSを向上させたい」といったKBOを実現するためのビジネス視点からの指標(これをKBIs:Key Business Indicatorsと呼びます)や、「海外から来るユーザがどの程度いて、海外で使っているユーザがどの程度なのか」などその企業が把握したい指標を設定し、それに基づいて分析を行う必要があります。
さらに、そのKBIsを、例えば「海外から訪れたユーザがSMSを利用した際の遅延はどうなのか」や、音声品質を示すMOS値などのユーザ視点での指標(KQIs:Key Quality Indicators)や、パケットロス、ジッタなどのネットワーク視点からの指標(KPIs:Key Performance Indicators)に落とし込むことが必要です。一言でいえば、KPIs やKQIsを分析することでKBOを実現していくことが、SOCの全体像になります。
図表2 KBOからKPIへの落とし込み[画像をクリックで拡大] |
これを可能にするために弊社ではA)デバイス、B)ネットワーク、C)加入者、D)アプリケーションという4つの分析軸を想定しています。これらは大きくネットワーク視点のAとB、ユーザ視点のCとDの2つのカテゴリに分けられます。
気を付けなければいけないのが、このネットワーク視点とユーザ視点から得られる指標が分かれた状態では、KBOの実現は難しいということです。
例えば、アプリケーションがネットワークに与える影響を分析するには、「どんな端末で」というネットワーク視点の情報と「どんなアプリケーションがどのくらい利用されているか」というユーザ視点の指標を見る必要があります。問題がネットワークかアプリケーションのどちらにあるかも、両方を見ていないと分かりません。
そこで弊社のソリューションでは、ユーザ視点とネットワーク視点の情報を融合させ、すなわちコントロール(C)プレーンとユーザ(U)プレーンを関連付けて分析することで、これらのデータをKBO達成するためのインテリジェンスに変えることを可能にしています。
図表3 ネットワーク視点・ユーザー視点融合で見えるもの[画像をクリックで拡大] |
例えば、プローブシステムでリアルタイムに集約されたセッションやユーザトラフィックの解析結果をKPIエンジンに送り込み、更にお客様が持たれている設備やユーザ情報と関連付けることで、コントロール(C)プレーンとユーザ(U)プレーンを統合した新しい監視や分析が可能になるのです。
図表4 エンピレックス ソリューションで可能なこと[画像をクリックで拡大] |
弊社ではこれらを実現するために、
1)KPI、KQI、BI( Business Intelligence)をリアルタイムに可視化する「IntelliSight-ダッシュボード」
2)KPI、KQI、BIの分析レポートツール「IntelliSight-アナリティクス」
3)KPIやKQIからドリルダウンしてトラブルシューティングを実現する「E-XMS」
といった3つのSOC向けソリューションを提供しております。
これらの製品を主軸として、お客様のKBOの早期実現に貢献して参りたいと考えております。
図表5 エンピレックス ソリューションアーキテクチャ[画像をクリックで拡大] |