【連載】ミリ波のチカラ -超高速通信がもたらす新しい体験- の目次はこちら
5Gは導入初期段階での展開を経て、「普及期」へと移行している。通信品質のさらなる向上や、新たな周波数帯の活用、そして通信の高度化といったフェーズである。特に、都市部や繁華街などのトラフィック集中エリアでは、常に高速・大容量の通信が求められており、その需要は今後も増え続ける見込みだ。
現在も、動画配信やクラウドサービス、リアルタイム映像、センサー情報のやり取りなど、あらゆる通信の質と量が拡大している。加えて、生成AIの普及により、データ通信の需要が急増しており、これらを支えるインフラの強化は喫緊の課題だ。
こうした背景から、高速・大容量の通信が可能なミリ波は、次世代通信において非常に重要な役割を果たすことが期待されている。
ミリ波の特徴と課題
ここでいうミリ波は、特に28GHz帯を中心とする、5Gの主要な周波数帯の1つだ。28GHz帯において、国内通信事業者各社は400MHz幅の周波数帯の割り当てを受けており、この広い帯域幅を活用することで、従来の4G LTEと比較して桁違いの高速通信を実現できる。具体的には、数Gbpsの通信速度であり、動画や画像などの大容量データを高速リアルタイムに伝送が可能だ。
一方で、ミリ波の特性には大きな課題も存在する。最も顕著なのは、「通信範囲の狭さ」だ。
ミリ波は障害物に対して非常にセンシティブである。建物や木々、人の身体といった遮蔽物により、電波が遮断されやすく、通信エリアが離散的になることが大きな課題である。これにより、屋内や地下街、地下鉄などの環境では十分な通信品質を確保できないケースも想定される。
また、これらの課題を解決するには、インフラ整備やコスト、運用の効率化といった観点から、革新的な技術やアプローチが必要と考えている。従来の基地局増設だけでは対応しきれないケースも多く、こうした課題への先進的な課題解決が世界的に求められている。














