LTEフェムトセルを本格展開
2012年度に向けては前述の通り、「重点事業領域への集中」が基本方針となる。「ワイヤレスブロードバンドアクセス」「モバイルバックホール」「海洋システム」「サービス&マネジメント」の4つが、その重点事業領域だ。
中期的市場動向と事業機会については「当社にとって追い風」(安井氏)(クリックして拡大) | 4つの重点事業領域(クリックして拡大) |
ワイヤレスブロードバンドアクセス事業は、国内でのLTE/フェムトセル/WiMAXの先行実績を活かしてグローバルに展開。LTEについては、すでにNTTドコモに無線基地局やコアシステム等を納入し、KDDIの無線基地局ベンダーに選定されており、これらのプロジェクトを着実に遂行する一方で、海外においてはLTEの高速性が発揮できるスモールセルとLTEフェムトセルに注力する戦略だ。
特にフェムトセルについては、「スマートフォンの急速な普及でネットワークの負荷が増大し、そのためフェムトセルが見直されている。欧州先行でアジアにも広まっていく」(安井氏)と、改めて有望領域であるとの見方を示した。すでにソフトバンクモバイルでIMSベースのフェムトセルの商用実績を持ち、これとLTE領域での技術を組み合わせてLTEフェムトセルを本格展開したい考えだ。
モバイルバックホール事業も、新興国のモバイル需要の急増を受けて有望視される領域だ。NECは、小型固定無線伝送装置でシェアトップの「パソリンク」を持ち、これを核としてモバイルバックホールソリューションの高度化を図り、市場優位性をさらに高める方針。具体的には、従来アクセス領域のみに適用していたパソリンクを、メトロ領域まで適用範囲を広げ、さらに光インターフェースも備えた「次世代パソリンク」を間もなく市場投入する。
LTEとともに有望視するフェムトセル事業(クリックして拡大) | モバイルバックホールソリューションを高度化(クリックして拡大) |