NTTレゾナントは2014年4月22日、事業説明会を開催した。
今年4月に創業10周年を迎えたNTTレゾナントは新たな10年に向け、BtoC領域の柱にコミュニティサイト「教えて!goo」(Q&Aサービス) を、BtoB領域の柱にはクラウド型スマートフォン実機検証サービス「Developers AppKitBox(DAKB)」を据えた。昨年度は300億円規模であった事業規模を拡大し、「1000億円にチャレンジしていきたい」と代表取締役 社長の若井昌宏氏は話した。
代表取締役社長の若井昌宏氏 |
教えて!gooは、Q&A形式でユーザー同士が交流するコミュニティサイト。ユーザーの質問や疑問に対し、知識や経験を持った別のユーザーが答える。gooが提供するサービスのなかで最も利用者が多く、現状のアクセス数はPC利用が月間2800万UB、スマートフォン利用は同2600万UBだ。
この教えて!gooに蓄積されるQ&A閲覧データと、検索ログやユーザーの属性データと組み合わせ、サービス内容の充実を図る。Q&A閲覧データはいわば“ユーザーの関心ごと”だ。サービスありきではなく、ユーザーニーズにサービスを最適化させようというのだ。これにより、ユーザーの年齢や性別、季節や曜日、時間帯などの現在情報をもとにgoo検索結果表示順を変える「おもてなし検索」を実現する。この検索方法では、同じキーワードで検索をかけても、検索結果の表示はユーザーや検索した時間帯ごとに変化する。このおもてなし検索の充実には正確に分析・予測するためのデータの蓄積が必要だとし、「gooポイント」プログラムの提供を2014年6月10日から開始する。gooポイントは、goo会員が「gooポイント」プログラム提携企業が提供するサービス利用や商品購入、対象webサイトへのアクセスなどで獲得できる。貯めたポイントは、グッズ交換や他社サービスのポイントと交換できる。プログラム開始時は、NTTコミュニケーションズのインターネット回線サービス「OCN」がポイント対象となる。提携企業は順次拡大していく予定だという。
B2B領域の牽引車として挙げたDAKBは、スマートフォン向けのアプリケーションやサイトの開発・テスト運用の支援サービスだ。ナレッジ提供や検証サービスなど企画から運用までのを行う。
今回、DAKBの検証サービス「Remote TestKit」の機能を拡充した。Remote TestKitはデータセンタ―にある220機種以上のスマートフォン/タブレット実機にリモート接続を行い、アプリケーションやサイトの検証が可能な開発者向けのソリューション型ソフトウェアだ。
大きな強化ポイントは、①テスト自動化ツールとの連携、②ブラウザ版の正式提供、③Thrift APIの提供の3つだ。
①テスト自動化ツールとの連携は、ベルギーのJamo Solutionsのテスト自動化ツール「M-eux Test」との連携を指す。これにより、数百台のスマートフォン/タブレットの自動試験をデスクトップPCから利用できるようになり検証作業の効率化に繋げた。
また、これまでのクライアントソフトウェア版に加え、ブラウザ版とRemote TestKitのThrift APIの提供も開始した。
②ブラウザ版の正式提供は、開発者だけではなく、Webデザインの確認やアプリの受入試験などの開発者以外のニーズに応えた。13年12月から既にβ版として一部提供してきたが、正式提供に伴い対応ブラウザ、対応機種、機能を大幅拡充した。対応ブラウザはGoogle Chrome(最新バージョン)、Firefox(最新バージョン)、Internet Explorer 10.0、Safari(最新バージョン)。このほか、Windows、Tizen、Ubuntuなどにも対応していく予定だ。同時利用端末数1台のプラン「Flat 1」は月額5万円だ。
③Thrift APIの提供は、CI(継続的インテグレーション)ソフトウェアとの連携を求める声に応じたものだ。ソースコードをコミットされるたびに実機をレンタルして自動テストを実行し、結果を取得する。CIが一定時間ごとに確認するため、数百台のテストを要する場合に夜間にテストを行わせて翌日結果を確認する、といった作業の効率化が図れる。
現在、DAKBはアメリカ、韓国、イギリスなど100ケ国以上で利用されている。今後はクラウドテストツール利用が盛んな北米に常駐拠点を置き、現地のNTTグループや協業パートナーと連携し営業を行う。ビジネス規模としては2014年に4~5億円、2016年には10億円規模を目標としている」と若井氏は話した。
NTTレゾナントの事業展開 |