ヴイエムウェアのSDNの柱「VMware NSX」をカサド氏が説明

ヴイエムウェアは8月下旬に米国で開催したイベント「VMworld 2013」でネットワーク仮想化プラットフォーム「VMware NSX」を発表したが、その特徴をマーティン・カサド氏が都内で記者向けに説明した。

ヴイエムウェアは2013年9月18日、米国で8月下旬に開催した年次イベント「VMworld 2013」の発表内容について説明する記者会見を東京本社で開いた。今年のVMworldは、同社が提唱している「Software-Defined Data Center」に関するアナウンスが中心を占めたが、なかでも目玉となったのがネットワーク仮想化プラットフォーム製品の「VMware NSX」である。

今回の会見にも、VMwareのネットワーク部門のCTOで、同社が買収したNiciraの創業者者兼CTOだったマーティン・カサド氏が参加した。

VMware NSXの概要
VMware NSXの概要

VMware NSXは、Niciraのネットワーク仮想化ソリューション「Nicira NVP」と、VMware自身が従来から開発してきた「VMware vCloud Networking and Security」の特長を1つの統合プラットフォーム上に兼ね備えた製品と、リリースでは説明されている。2012年7月のNiciraの買収発表から1年あまり、ついに登場した。

カサド氏はNSXについて、サーバー仮想化のVMware ESXを引き合いに出し、「ESXはサーバーマシンのプロビジョニングの問題を解決したが、NSXはネットワークのプロビジョニングの課題を解決する」と紹介した。「この会見が始まる1時間前、ある顧客とミーティングをしたが、その顧客もVMは3、4分でプロビジョニングできるが、ネットワークの設定には1カ月、2か月かかっていたという。今、プロビジョニングで一番時間がかかっているのはネットワークだ」

VMware NSXの主な機能
VMware NSXの主な機能

また、NSXの特徴としてカサド氏が強調した点の1つは、KVMやHyper-V、Xenといった様々なハイパーバイザーをサポートすることだ。クラウド管理ソフトについても、OpenStack、CloudStackなどに対応する。「目指しているのは、どんなクラウド技術、どんな仮想化技術でもサポートできるようになることだ」とオープンな世界を指向していることをアピールした。

加えて、カサド氏は「もう1つの重要な部分」として、パートナー企業とのエコシステムも挙げた。「パートナー企業とのエコシステム構築に非常に長い時間をかけてきた」

「完全なレイヤ2-7サービスのソフトウェアによる実現」をNSXは謳っており、ファイアウォールやロードバランサ、VPNの機能もソフトウェアで論理的に提供可能だが、さらにNSXの発表にあたってはパロアルトネットワークスやF5ネットワークス、ジュニパーネットワークスなど20社以上とのパートナーシップが明らかにされている。

VMware NSXのパートナーエコシスステム
VMware NSXのパートナーエコシスステム

NSXはエッジ・オーバーレイ方式を採用しており、物理ネットワーク――VMware流にいうと「アンダーレイネットワーク」との連携はほとんど意識する必要はない。カサド氏自身も「データセンターの中では、オーバーレイとアンダーレイの間で、多くの連携が起こる必要はないと考えている」と語っている。

ただし、例えばユーザーのデバイスだったり、「ネットワークのエッジにつなぐには、ハードウェアとやりとりする必要がある。だから、エコシステムの一部として多くのパートナーが重要になる」とした。

NSXの一般提供開始は2013年末の予定。一部の早期導入ユーザーではすでに検証などが行われており、「VMworldの壇上では、シティグループ、GE、eBayの方に『NSXを支持する、採用するよ』と表明していただいた」(カサド氏)とのことだ。

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