インフォテリアは2013年9月12日、電子カタログなどのスマートデバイス向けコンテンツの管理・配信を行うためのMCM(モバイルコンテンツ管理)システム「Handbook」のメジャーアップデートを発表した。Handbookは、ITRが行ったモバイルデバイス向け文書管理市場の調査でシェアNo.1の製品。インフォテリア 代表取締役社長の平野洋一郎氏によると、野村證券やエーザイなど550社以上の企業に導入されているという。
HandbookのMCM市場でのシェア |
既存ユーザーから挙がっていた数々の要求に応えたという最新バージョンのHandbook 4。なかでもプロダクトマーケティング部 シニアプロダクトマネージャーの松村宗和氏が「本日の目玉」として特に力を入れて紹介したのは、「ブックドロップ機能」である。
Handbookの特徴の1つは、中央管理型でコンテンツを管理できる点にある。管理者以外が勝手にコンテンツを配信することはできず、コンテンツの閲覧期限なども管理者側で設定できる。このため適切な情報統制を行えるわけだが、その一方で次のようなニーズには従来応えることができなかった。
Handbookの最も代表的な利用シーンは営業現場でのプレゼンであるが、顧客から「その電子カタログが欲しい」と言われてもデータを手渡せないのである。
そこでHandbook 4で新たに加わったのがブックドロップ機能である。対面している顧客のスマートデバイスに、データを渡すことができる。その方法だが、まずは手渡したい資料を「ルーム」と呼ばれる仮想的な部屋に入れる。そして、手渡したい相手にHandbookのアプリをインストールしてもらい、口頭で伝えたルームコード(パスワード)を入力してそのルームに入ってもらうと、資料を手渡せる仕組みだ。パスワードによる保護のほか、近接したスマートデバイスしかルームには入室できなくなっており、セキュアに資料を“手渡し”できるという。手渡した資料には、閲覧有効期限を設定することも可能だ。
ブックドロップ機能の画面。手渡したい資料を画面下から選択し、「ルームコード」を相手に伝える |
フィードバック機能も追加された。これは、コンテンツに5段階評価やコメントなどを付けられる機能。どのコンテンツの評価が高く、どのコンテンツが改善の必要があるのかなどを、簡単にフィードバックできるようになる。
Handbook 4の新機能や強化ポイント |
このほか、全文検索、PDFファイルへの写真添付やテキスト入力、編集者の操作ログ取得などの機能強化が行われたHandbook。さらには、ストレージ利用料が定額になるオプションサービス「ストレージフラット」の10月1日からの提供開始などにより、2014年度に現在の約4倍にあたる2000社への導入を目指すという。
ストレージフラットの概要 |