ブロケードがデータセンターNW市場で1位に肉薄、「国内クラウド事業者の半分が採用」

米ブロケードCEOのロイド・カーニー氏が記者会見を開いた。同氏は仮想化/クラウド化が進むデータセンターネットワーク市場で、ブロケードが大きな成功を収めていることを強調。また、x86サーバー上で仮想的にネットワーク機能を提供する「NFV」も強力に推し進めていく方針などを説明した。

ブロケード コミュニケーションズ システムズは7月12日、今年1月に本社CEOに就任したロイド・カーニー氏の来日に合わせて、プレス向けのラウンドテーブルを開催。仮想化/クラウド時代に向けた戦略を説明した。

「現在のネットワークは20年前に設計されたままだ。サーバーやストレージのエンジニアが20年前にタイムトラベルしても、当時の技術について分からないだろうが、ネットワークエンジニアはそんなことない。スイッチやラックなど、全然変わっていないからだ」

カーニー氏はこのように「ネットワークは20年間にわたり大きな変化を経験していない」と指摘することから説明を始めてみせたが、これはまさに今この20年にわたり続いてきたパラダイムが変革のときを迎えているからだ。ネットワークに変革を促しているのはもちろん、サーバーおよびストレージの仮想化とクラウド化の進展である。

こうしたトレンドのなかブロケードは、イーサネット・ファブリック、SDN(Software Defined Network)、NFV(Network Function Virtualization)といったソリューション・技術をもって、この変革をリードしていこうとしている。

「ファブリックで最も成功しているのはブロケード」

ファブリックは、すでに多くの企業に導入され始めているソリューションだ。ブロケードのファブリックは具体的には「Brocade VDXスイッチ」で構成されるが、その導入企業数は1100社を突破しているという。

調査会社からの評価も高いようだ。ガートナーはデータセンターネットワーク市場に関する初のマジッククアドラントを発表しているが、その中でブロケードが「ビジョナリー」に位置づけられたこと、さらに「データセンターやクラウドサービスプロバイダーは、ネットワークのイントラを検討する際には必ずブロケードを選択肢に入れるべきだろう」とされていることをカーニー氏は紹介した。

ガートナーのデータセンターネットワークに関するマジッククアドラント
ガートナーのデータセンターネットワークに関するマジッククアドラント

日本市場での販売は特に好調だ。「国内のクラウドデータセンター事業者の約半分が商用環境に導入している」と日本法人社長の青葉雅和氏は明かした。IDC Japanのレポートでも、「ファブリック製品の販売とファブリック技術の実環境への導入に最も成功しているのはブロケードである」と評価されているという。

また、同じくIDC Japanによれば、国内データセンター・ネットワークインフラ市場におけるベンダーシェアは29.2%で2位を獲得し、31.8%の1位に肉薄している。既存データセンターの増設案件については、やはりシスコが強いが、「新規のデータセンター開設に関しては、我々が勝つ傾向にある」とカーニー氏は説明した。

国内データセンターネットワーク市場における状況
国内データセンターネットワーク市場における状況

さらに同氏は、「シングルベンダーロックインをどう打破していくか。10%コストが安いというだけでは、そのための再研修も必要なので顧客にとって意味をなさない。25万ドルと80万ドルくらいの違いを出さないといけない」と話した。

10GbEを200ポート導入する場合の初期費用の比較
10GbEを200ポート導入する場合の初期費用の比較

10GbEのラインレート性能で200ポートのネットワークを構築する場合、その初期導入費用は、シスコのCatalyst 6000 Es-Seriesで80万ドル。一方、ブロケードのファブリックなら25万ドルだという。

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