(左から)双日テックイノベーション(STech I) ネットワークインテグレーション事業本部 第三技術部 三課 ITスペシャリスト 金井貴浩氏、同 第一技術部 一課 課長 石坂仁志氏、同 事業推進部 一課 村上裕紀氏
「数年前までは複数のツールを必要とするコスト面から『自律型ネットワークの実現は難しいのでは』と正直思っていました。しかし、ここまでAI技術が進んだ今は違います。自律型ネットワークの時代は、すぐそこまで来ています」
最近のネットワーク運用自動化ソリューションの進歩の早さに、こう目を見張るのは、双日テックイノベーション(STech I)でネットワーク技術を担当する金井貴浩氏だ。
なかでも金井氏が注目するのが、WANの運用自動化を実現するジュニパーネットワークスの「Routing Director」(旧Paragon Automation)である。これから本格的な商用導入が始まる次世代ルーティング技術のSegment Routingをはじめ、WANの各種設定・管理業務を自動化できるコントローラ製品だ。日本語対応のAIチャットボット機能も備えている。
ネットワーク運用現場で実際に活躍するエンジニアらの関心度も高い。
STech Iは今年6月に開催された「Interop Tokyo 2025」において、ジュニパーネットワークスへ協賛しブースを出展した。会場で数多くの来場者に接した同社の村上裕紀氏はこう語る。「『Routing Directorのネットワーク自動化&AIOpsで運用現場が変わる!』というテーマでデモを実施しましたが、『日本語対応のAIチャットボットは現場で活用できそう』『Segment Routingはエンジニアのキャッチアップが課題だったが、コントローラによって導入・運用のハードルが少し下がるように感じた』など、ポジティブな声を多数いただきました」
人手不足やネットワークの複雑化、次々登場する新技術などに対応するには、自動化とAI活用は不可欠――。ほとんどのネットワーク運用現場では、すでにこの“結論”が出ているはずだ。
ただ一方で、そのための一歩目を踏み出すのを躊躇している企業もまだ多い。STech Iの石坂仁志氏は、通信事業者/ISPや、データセンター事業者、エンタープライズ企業らの事情をこう代弁する。
「彼らにとって、ネットワーク運用の自動化やAIOpsは、サービス収入の増加に直接的に結びつくものではありません。ですから『AIを活用したい、自動化したい』という意欲は皆さんあっても、実際に投資するとなると『まだハードルがある』と感じられるケースが少なくないのです」
しかし、Routing Directorを活用すれば、ハードルを乗り越え、自律型ネットワークへの道を力強く歩むことができる。彼らの期待が特に高いSegment RoutingとAIチャットボットにフォーカスしながら紐解いていこう。