キーサイトが日本で初公開した448Gbpsデータ生成・解析ソリューションの実機デモ
キーサイト・テクノロジーは2025年8月1日、224GBaud PAM4光技術を用いた448Gbpsデータ生成・解析ソリューションを紹介するメディアブリーフィングを行った。
キーサイトは今年4月にサンフランシスコで開催された世界最大級の光通信展示会「OFC 2025」で、448Gbpsデータ伝送の共同デモンストレーションを米ルメンタム社、NTTイノベーティブデバイスと実施している。448Gbpsデータ生成・解析ソリューションは、このデモに使用した装置を製品化するもので、日本では初公開となった。
このソリューションは、急増するAIデータセンターの帯域ニーズへの対応に不可欠とされる3.2Tbpsイーサネット(3.2TbE)の研究・開発を行う企業や研究機関を主な対象としている。
今年から来年にかけて導入が始まる最新の高速イーサネット規格1.6TbEでは、1レーン(並行伝送路)あたり、224Gbpsの高速伝送が行われる。次世代の3.2TbEでは1レーンあたりの伝送速度が1.6TbEの2倍の448Gbpsとなるが、「デバイスの検証に必要な448Gbpsの信号を発生する機器が存在しない」(キーサイト・テクノロジー ソリューションアーキテクトの高橋一氏)ことが開発のネックとなっているという。
高速イーサネットのデバイス開発に使われる任意波形発生器(AWG)では、256Gbpsをサポートするキーサイトの「M8199B」が「世界最速」(高橋氏)で、1.6TbEの開発にも用いられる。
キーサイトが新たに提供する448Gbpsデータ生成・解析ソリューションでは、このM8199Bを2台用い、NTTイノベーティブデバイスが開発した周波数ドメイン・インターリーバー(キーサイトは「M8159A」として提供)と組み合わせることで448Gbps信号の発生を実現している。
キーサイトでは448Gbpsに対応するAWGの開発にも取り組んでいるが、提供時期はまだ先になる。こうした中、「3.2TbEの研究開発に取り組んでいるお客様から448Gbpsが『今すぐ欲しい』という声があり、提供させていただいた」(高橋氏)とのことだ。
448Gbps信号の解析には最大120GHzの光帯域幅をサポートするキーサイトの「N1032A DCA-Xサンプリング・オシロスコープ」が用いられる。
OFC 2025で行ったデモでは、これらの機材を用いてルメンタム社の光電変換チップ(リン化インジウム外部変調レーザー)が448Gbpsで動作することを実証した。高橋氏は「OFC 2025には日本のお客様も多く参加されており、非常に強いご関心、引き合いをいただいている」という。