企業規模問わず「バーチャルCISO」を提供
Sophos アジア太平洋日本地区担当シニアバイスプレジデントのギャビン・ストラザーズ氏も、「日本市場へのコミットメントを続け、急速な成長をさらに加速させる」と意欲を語った。3~4年前には国内にデータセンターを開設し、データ主権に配慮した体制を整えたという。
Sophos Limited アジア太平洋日本地区担当シニアバイスプレジデントのギャビン・ストラザーズ氏
ストラザーズ氏は、グローバルに共通する4つの柱からなる戦略を紹介した。まず、「バーチャルCISO」。企業規模を問わずCISO(最高情報セキュリティ責任者)の機能をサービスとして提供する。2つめは「プラットフォーム化」で、AIを活用したセキュリティ自動化とマルチツール統合を推進する。ソフォスは顧客の現状に合わせたソリューション提供を基本姿勢にしているが、その実現のためにオープン性と拡張性を重視する。
さらに、テクノロジーに加えてサービス、プロセス、人材を一体で提供する「ハイブリッド運用」と、チャネルパートナーを活用した「規模の拡大」も重要な戦略の柱となるという。
ソフォスのグローバルにおける4つの重点戦略
“SOC完全自動化”に向けAI投資
バーチャルCISOの実現と、AIによるプラットフォーム化は密接に関係している。ソフォスでは、その中核を担うセキュリティ運用基盤として「Sophos Central」を展開している。Sophos プロダクト・マネジメント担当バイスプレジデントのロブ・ハリソン氏は、「『Sophos Central』は60万社に利用されている世界最大級のAIネイティブプラットフォーム」と説明した。
Sophos Limited プロダクト・マネジメント担当バイスプレジデントのロブ・ハリソン氏
Sophos Centralは、ファイアウォールやエンドポイント、XDR/MDR製品などを一元的に管理できるクラウドベースの統合プラットフォームで、アラートの集約、ポリシーの集中管理、AIを活用した脅威検知・対応の自動化といった機能を提供する。同社では2017年からLLMなどのAI技術に投資を続けており、現在は300人のAIセキュリティ運用のスペシャリストを擁し、50種類以上のAIモデルを開発しているという。
AIネイティブプラットフォーム「Sophos Central」概要
同社の生成AI機能では、アナリスト業務の要約、コマンド分析、自然言語によるインターフェースなどがすでに実装されており、効率化に貢献。さらに将来的には、SOCのティア1/2業務の自動化による“SOCの完全自動化”の実現も視野に入れる。「何でもかんでも自動化するのではなく、アナリストのワークロードのどこをAIが担うべきかを見極めながら開発していく」と、ハリソン氏は述べた。