無線LANの最新規格である「Wi-Fi 7」は、法人市場でどの程度受け入れられているのか。
シスコシステムズでネットワーキング事業担当執行役員を務める高橋敦氏によれば、「他の国と比べてWi-Fi 7への関心は大きく、展開のスピードも速い」。アクセスポイント(AP)の価格をWi-Fi 6E対応製品と同程度に抑えていることもあり、企業ネットワークにもかなり浸透してきているようだ。
シスコシステムズ(日本法人) 執行役員 ネットワーキング事業担当の高橋敦氏(左)と、
米シスコシステムズ ワイヤレス&ネットワークアシュアランス プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのD マシュー・ランドリー氏
この勢いをさらに加速させるため、シスコはWi-Fi 7対応APの新モデルを日本市場に投入した。エントリーモデルに位置づける「CW9172」だ。天井に取り付けるのに適したCW9172Iと、壁面取り付け用のCW9172Hの2つを、すでに出荷開始している。
中小オフィスや店舗向けに最適化
この新モデルは、空間ストリーム数が既存モデルの12に比べて6と少ないものの、Wi-Fi 7の特徴であるMulti-Link Operation(MLO)やPreamble Puncturingといった機能はもちろん健在だ。
Wi-Fi 7対応アクセスポイントのラインナップ
MLOは2.4/5/6GHzのうち2バンドあるいは3バンドを同時利用する機能で、1経路しか使えなかったWi-Fi 6/6Eまでの世代と比べて高速かつ高信頼な通信が可能。低遅延化の効果も期待できる。
米シスコ ワイヤレス&ネットワークアシュアランス プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるD マシュー・ランドリー氏は、Preamble Puncturingのメリットも強調した。これは、他ユーザーと干渉している周波数部分を避けて、広い帯域幅を使って伝送する機能だ。周波数を有効に使うことで、スループットの向上や遅延低減につながる。
また、ターゲットとする中小規模オフィスや店舗などに適するよう、既存のWi-Fi 7 APに比べて筐体サイズを小型化したことに加えて、「かなり省電力化した」こともCW9172の特徴だとランドリー氏。最大30Wの給電が可能なPoE+(IEEE802.3at)での稼働が可能という。
Wi-Fi 7は使用するバンド数が増えることで消費電力も増えるが、LANスイッチ側を最大90Wの給電能力を持つPoE++(IEEE802.3bt)へ入れ替えなくても済むことは、導入コストの抑制につながる。