神戸市で2025年春開業予定の次世代アリーナ「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」を運営するOne Bright KOBEは、阪神大震災から30年となる2025年1月17日、スカパーJSATの「災害医療対応通信衛星アンテナ」を同アリーナに設置し、同社が提供する衛星IPネットワークサービス「ExBird(エックスバード)」を導入することを発表した。
GLION ARENA KOBEとTOTTEIエリアの鳥瞰イメージ
同アリーナと周辺エリアの「TOTTEI(トッテイ)」に訪れる人々の安心と安全の確保のため、大規模地震時などの災害発生直後でも通信環境を確保し、アリーナと医療機関などとを通信可能にすることで減災・二次災害対策を行うことを導入の目的とする。
ExBirdは衛星通信の耐災害性、広域性を活かした通信ネットワークサービスで、災害時や地上回線未整備エリアでもインターネットや音声通信が使える。災害医療対応の通信衛星アンテナの導入は、国内の次世代アリーナとしては初めての試みとなるという。
災害医療対応の通信イメージ
また、同アリーナは神戸ウォーターフロントエリアの新港突堤西地区に位置し、周囲270度を海に囲まれている。このロケーションの特性上、津波、高潮、台風の発生時においては防潮鉄扉の閉鎖や避難指示がなされる場合がある。一方、大規模地震によって津波が発生した場合には7階建てのアリーナ内での垂直避難も想定される。災害医療対応通信アンテナの導入により、携帯電話等がつながらない事態となっても医療機関との間でインターネットや音声データ通信を可能とし、早期の災害医療対応の実現を目指すとしている。
なお、同アリーナはOne Bright KOBEの親会社であるスマートバリュー、NTTドコモ、NTT都市開発の3社によるコンソーシアムが開発・運営を担う(参考記事:ドコモ、新国立競技場運営のビジョン 世界基準のスタジアムへ、コンテンツ開発と人材育成|BUSINESS NETWORK)。