ソフトバンクが米スプリントを買収――世界第3位の移動体通信事業者に

ソフトバンクは2012年10月15日、米国第3位の通信事業者スプリント・ネクステルを買収することで両社が合意したと発表した。買収額は201億ドル(1兆5709億円)で、ソフトバンクはスプリントの株式約70%を取得し、同社を連結子会社化する。一連の取引は2013年半ばまでに完了する見込み。

握手をするソフトバンクの孫正義社長(左)とスプリント・ネクステルのダン・ヘッセCEO

契約数では、ソフトバンクの約3500万に先日買収を発表したイー・アクセスの約430万、さらにスプリントの約5600万を加えると累計約9600万となり、米ベライゾン、AT&Tに次ぐ世界第3位の移動体通信キャリアとなる。売上高でもチャイナ・モバイル、米ベライゾン・ワイヤレスに次いで世界第3位に躍進する。

「挑戦をするときにはさまざまなリスクが伴う。今回の米国への挑戦も決して簡単なものではない。しかし、日本は少子高齢化が進み、挑戦をしないことは別の大きなリスクになる」とソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、米国市場に進出する意義を強調した。

米国の携帯電話市場は巨大で特にスマートフォンが急成長しており、高ARPUでポストペイド中心といった特徴がある。さらに日本と同様、上位2社が寡占状態にあるが、孫社長は「この状況は挑戦者にとってまたとないチャンス。日本で体験したことをもう一度、再現できる」と意欲を見せた。

近年、業績不振の続いていたスプリントは、08年から3年にわたりブランド改善や加入者純増、売上増といった再建に取り組んできた。2012年からは第2フェーズの投資の段階に入っており、2013までに世界水準のネットワークを構築するとともに、ネットワークの重複の解消による年15億ドルのコスト削減などに取り組んでいる。その最中にソフトバンクから投資を受けることになるが、スプリントCEOのダン・ヘッセ氏は、「より顧客志向のサービスが可能になる。ソフトバンクからは競争力向上、財務改善の実績、V字回復のノウハウなどを学びたい」と語った。

今回の買収をめぐっては、スプリントが48%の株式を保有するクリアワイヤが2.5/2.6GHz帯を使ってTD-LTE方式を展開する計画があることから、「SoftBank 4G」としてTD-LTEを展開しているソフトバンクはクリアワイヤの買収も検討しているとの報道もあった。これに対し孫社長は「何でも可能性はあるが、今はコメントすべきではない」と述べるにとどまった。

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