NTT(持ち株)は2012年8月6日、2013年3月期第1四半期の連結決算を発表した。営業収益は前年同期比1.5%増の2兆5759億円、営業利益は同0.9%増の3523億円と増収増益だった。
第1四半期の決算について説明する鵜浦博夫社長 |
鵜浦博夫社長は増収増益の要因として、(1)海外売上の着実な成長、(2)スマートフォン・Xiの拡大、(3)映像サービスの拡大の3つを挙げた。
(1)については、前年同期比プラス4億ドル増の30億ドルを達成。「このペースなら年度目標の130億ドルは達成できる」見通しだ。(2)では、スマートフォンの販売数は対前年1.9倍の249万台、Xi契約数は前期末比で5割増の累計332万台だった。(3)では、「ひかりTV」および「フレッツ・テレビ」の契約数が累計300万を突破した。また、今年度が最終年度である中期経営戦略で定めた事業構造改革の目標である、全売上高に占める「IP系+ソリューション・新分野」の割合75%に向けて、前年比プラス5ポイントの72%を達成し、「着実に進捗している」と語った。
第1四半期連結決算の概要 |
懸念材料は、「フレッツ光」の増加ペースが鈍化していることと、携帯電話の契約者の伸びが厳しい状況にある点だ。鵜浦社長は「先行き、もっと努力を要する状況にある。引き続き商品販売の強化に努めることと、コストコントロールの徹底により、通期目標の利益は達成したい」と述べた。
なお、フレッツ光の伸びの鈍化については、「スマホ/タブレットへの移行で固定系の新規事業がなかなか伸びない」「他事業者のエリア拡大などによって競争が激化」といった複合的な要因があるとし、「長期利用者に対する手厚い料金メニューや、すでに公表しているマンション向けライトプランなど、いくつかの新しい施策を検討している」と語った。詳細については、「8月末に各事業会社から発表になる予定」という。