NECは、どのような検討を行いながら、グローバル市場に向けてユニファイドコミュニケーション(UC)ソリューションを開発しているのか。
このような観点から、UC市場の動向とNECの戦略が語られたのが、同社UNIVERGEサポートセンター シニアマネージャーの宮本良彦氏によるUCサミット2012での講演である。
NEC UNIVERGEサポートセンター シニアマネージャー 宮本良彦氏 |
スマホ時代到来で「Any Device」がUCの鍵に
同氏が最初に話題にしたのは、コミュニケーション方法の変化だ。「1日に送られるテキストメッセージの数は世界の人口以上になっている」と、コミュニケーション手段の中心が音声からテキストにシフトしていることに触れたうえで、その大きな理由として「スマートフォン/タブレットが爆発的に市場に出始めている」ことを挙げた。
「エンドポイント(端末)がどんどんエボリューションしており、それによりテキストメッセージの増加や業務の効率化が図られているのが現状だ」
UCの開発においても当然、このエンドポイントの進化をどう活かしていくかがポイントになる。宮本氏は「Any Device」というキーワードを用いて、さらに掘り下げていった。
Any Deviceが意味するのは、デバイスの種類に依存しないコミュニケーションの実現だ。スマートフォン、タブレット、PC、IP電話機など、そのときに利用可能な様々なデバイスから、いつでもどこでも最適なコミュニケーションが行えるのがAny Deviceの世界である。最近BYODに注目が集まっているが、そのデバイスが私物か会社所有かにも当然依存しない。
米国で今年3月に開催された企業コミュニケーションの一大イベント「Enterprise Connect 2012」でNECが発表した「UNIVERGE 3C」の特徴の1つは、このAny Deviceにある。ユーザーの操作性を高めるため、PC向けとモバイル向けUCクライアントのインターフェースを統一。共通化された操作画面から、音声、ビデオ、テキストによるコミュニケーションが行える。日本でのリリースが待ち望まれるところだ。
PC向けクライアントの操作性を継承したモバイル向けUCクライアント |
また、宮本氏はAny Deviceにおけるトレンドの1つとして、「できるだけブラウザ上でソリューションを提供すること。要するにクラウド化が1つの流れになっている」とも語り、NECもクラウド化に力を入れていることを紹介した。
さらにBYOD時代を見据えたユニークな製品としてクレードルフォンも披露された。スマートフォン/タブレットを装着すると、ハンドセット付きのデスクトップ電話機に早変わりするというものだ。スマートフォン/タブレットとはBluetoothで通信する。
これがクレードルフォン。スマートデバイスがデスクトップ電話機に変身する |