HPが通信キャリア向けセミナー、クラウドとビッグデータの活用による収益創造を提案

日本HPが「通信キャリアの新たな収益機会の創造」をテーマとしたプライベートセミナーを開催した。新時代の通信ビジネスを拓く鍵となるのは、クラウドとビッグデータだという。

日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2012年5月29日、通信キャリアを対象としたプライベートセミナー「HP Telecom Executive Forum 2012」を東京都江東区の本社で開催した。同社はOSS/BSS分野を中心としたキャリア向けソリューションに強く、最近ではビッグデータやクラウドの通信分野への展開にも力を入れている。

今回のセミナーは、こうしたHPのキャリア向けソリューションの最新動向を紹介するとともに、通信事業者が直面するさまざまな課題に対してHPとしての解決策を提案しようというもの。メインテーマは、「通信キャリアの新たな収益機会の創造」である。セミナーには固定・移動通信キャリア、大手ISPなどから約50名が参加、多彩な講演に熱心に聴き入っていた。

セミナーは、HPのソリューションのラインナップを紹介する「ソリューショントラック」と通信市場の動向とそれを踏まえたHPの製品戦略をテーマとする「エグゼクティブトラック」の2部構成で行われた。

エグゼクティブトラックで基調講演を務めたデイビット・スライター氏は、HP本社で通信事業者向けソリューション部門の責任者を務めるバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーである。

ヒューレット・パッカード・カンパニー エンタープライズ・サービス コミュニケーション・アンド・メディアソリューションズ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー デイビット・スライター氏
ヒューレット・パッカード・カンパニー エンタープライズ・サービス コミュニケーション・アンド・メディアソリューションズ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー デイビット・スライター氏

同氏はまず、2012年の通信市場のトレンドとして、1)ビッグデータ、2)グローバル化、3)ソーシャルネットワーク/コミュニケーション、4)エコシステムの構築、5)M2Mの5つを挙げ、これらが何らかの形でクラウドと関連していると指摘した。

その延長として今後の通信市場を予測、2015年には、1)携帯電話が77億台普及、2)移動通信網に接続される端末が150億となるという見通しを示した。この時点で、3)世界の労働力の85%がモバイルを活用してオフィスの外でも仕事をするようになり、4)固定インターネットの契約数は10億を超えるという。

スライター氏は、こうした中でサービスプロバイダーのネットワークやビジネスのあり方も大きな変革を迫られることになるとし、この変化に積極的に対応していかなければ、通信キャリアも恐竜のように絶滅する以外にないと警鐘を鳴らした。

HPではこうした市場の変化を踏まえて、現在、1)クラウド、2)ビッグデータの分析、3)M2M、4)OSS-T(Operations Support Systems Transformation)の4分野のソリューションに投資を集中させているという。

その上でスライター氏は、HPの具体的なソリューション戦略に言及、1)の分野のクラウド・サービス・イネーブルメント(HP Cloudsystem Service Provider)を特に成長の期待できる分野だと述べた。

HP Cloudsystem Service Providerの概要
HP Cloudsystem Service Providerの概要

HP Cloudsystem Service Providerのベースとなるのが、HPがすでに企業などに提供している汎用クラウド基盤だ。HPのクラウド基盤は、これまでに1万5000社のプライベートクラウドで使われており、アクセスの多い世界トップ10のWebサイトのうち8つ、検索エンジンのトップ5のうち4つ、ソーシャルメディアのトップ3に採用されているという。

このソリューションでは、その上に「統合レイヤ」と呼ばれる階層が載る。これはOSS/BSSなどの機能をクラウドに統合した形で提供するもの。その1つ、サービスに応じて回線の品質を柔軟に変えられる「ユニバーサルSLAマネージャー」の機能を使うことで通信キャリアは、OTTでは実現できない効率的なサービスを提供することができる。

さらに、この「統合レイヤ」の上にさまざまなアプリケーション、例えば中小企業にPCの機能をサービスとして提供するといったサービスが、事前に作り込まれた形で提供される。このソリューションを活用することで、通信キャリアは、ローコスト、かつ短い準備期間で多様なサービスを展開できる。

HP Cloudsystem Service Providerの提供は半年前に開始されたばかりだが、順調な出足を見せており、「年内に少なくとも15~20件程度の案件が獲得できる見通し」だという。

この他、スライター氏は、1)企業がスマートフォンなどのモバイルデバイスを利用するうえで必要となる機能をトータルで提供する「HP Enterprise Mobility Platform」、2)通信キャリアのネットワークの顧客情報を、プライバシーを確保しつつ検索サイトやショッピングサイトに提供し新たなビジネスチャンスを生み出す「HP Smart Search」、3)データトラフィックのキャッシングによりネットワークの負荷を軽減するCDN機能を、通信キャリアが自社のネットワーク内に実装できる「Speed VIDEO CDN」の他、M2M/ビックデータ関連のソリューションなどを紹介。HPは信頼できるパートナーとして通信キャリアの収益チャンスの創出に貢献していきたい、と結んだ。

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