「道徳なくして経済なし、経済なくして道徳なし」。冒頭、北村亮太社長は自身の経営観として、渋沢栄一の言葉を引用した。
NTT西日本 北村亮太社長
前段は「なすべからざることをするな、すなわち企業倫理やコンプライアンス、ガバナンス強化といった企業としての健全性を確保し、世の中に役立つことをしなければ、企業としての存在意義はないということ」と説明。後段については「なすべきことをせよ、つまり社会の課題解決と価値創造・事業成長の両立を図ることだと考えている」と述べた。
企業としての健全性と、社会課題の解決・価値創造の両立と事業成長を同時に実現することで、「安定した経営基盤を確立することができ、NTT西日本のパーパスである『持続可能な社会・経済の実現』に貢献できると考えている」という。
企業としての健全性と、社会課題の解決・価値創造の両立と事業成長を実現する
情報管理・セキュリティの徹底で再発防止
企業の健全性については、顧客情報の不正流出で失われた信頼を回復するため、強いリーダーシップを発揮し、企業風土の改革と情報管理・セキュリティの徹底に全力で取り組む。再発防止策としてリスクの視える化、リスク箇所の最小化、監視の高度化・点検の徹底、情報セキュリティ推進体制の強化を進めている。
顧客情報の不正流出の再発防止策を着実に実行する
社会の課題解決・価値創造と事業成長の両立の具体的な取り組みの1つには、2025年に開催される大阪・関西万博を挙げた。NTT西は、万博会場の情報通信インフラの設計・構築、保守・運用を担っている。夢洲会場にIOWN環境を整備し、会場の内外をIOWNでつなぐイベントを予定しているという。また、万博をトリガーに、地産地消やWeb3、分散型社会の実現に向けた取り組みも進める。