複数事業者がつながるオール光網へ、総務省で第1回会合「目指すはインターネットと同じマルチドメイン」

総務省でオール光ネットワーク共通基盤技術ワーキンググループ(WG)の第1回会合が、2024年2月28日に開催された。

情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会の下に新たに設置された同WGの目的は、国の情報通信研究開発基金により実施するオール光ネットワーク共通基盤技術の研究開発プロジェクトの技術開発の方向性や普及方策等を検討すること。NTTが推進するIOWN構想をはじめ、日本が強みを持つといわれる光ネットワーク分野の国際競争力向上が狙いとなる。

すでに国の基金を用いたオール光ネットワーク関連の研究開発プロジェクトは始まっているが、同WGの対象は「特定の個社だけが使うオール光ネットワークではなく、通信事業者やデータセンター事業者など多様な事業者が活用できる共通基盤技術」(総務省)。

今回の第1回会合には、IOWN Global Forumに参画するNTT、KDDI/KDDI総合研究所、富士通が招かれ、取り組むべき共通基盤技術として「複数ドメイン連携型光ネットワーク」を提案した。

NTT、KDDI/KDDI総合研究所、富士通が共同で説明した複数ドメイン連携型光ネットワークの概要

NTT、KDDI/KDDI総合研究所、富士通が共同で説明した複数ドメイン連携型光ネットワークの概要

NTTの川島正久氏は、「誰にとって共通の基盤技術なのかがポイント。今回の共通基盤は、通信キャリアだけではなく、データセンター事業者、タワー事業者、オフィスや商業ビルの運用者など、いろいろなプレイヤーが使える共通基盤。目指すところはインターネットと同じようなマルチドメインだ」と語った。

ただし、「インターネットをリプレースするつもりはまったくない」という。「インターネットが一般道だとすると、高速道路に相当するのがマルチドメインのオール光ネットワークだ」と説明した。オール光ネットワークは、超大容量、超低遅延、超低消費電力といった特徴を持つ。

通信事業者にとどまらない、多様なプレイヤーのオール光ネットワークによって数多くの拠点がつながることによって、「従来なかったコンピューティングインフラが出来上がり、産業のDX、生活のDXが進む」という。

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