ネットワンシステムズは2012年1月11日、コンサルティングサービスの取り組みに関する記者説明会を開催した。「今年度は(1)ICT戦略の策定、(2)運用管理、(3)セキュリティの3つの領域のコンサルティングを強化していく」(ビジネスコンサルティング部 部長の伊藤直樹氏)という。
「今まではソリューションコンサルティングが中心だった」というネットワンがICT戦略の策定に関するコンサルティングに注力するのは、「お客様から、もっと上流工程に関するコンサルティングも行ってほしいという声をいただいている」ためとのこと。同社の一番の強みといえばネットワークの構築にあるが、さらに最近はサーバーからストレージまでICT基盤をトータルに提供できる点を特徴としている。これに加えて上流工程のコンサルティングサービスまで強化していこうというわけだ。「コンサルティングフェーズから課題解決フェーズまでをワンストップで提供できる」(伊藤氏)
ネットワンのコンサルティングサービスは写真の通りの3層構造になっている |
実際、受注実績も増えてきているようで、説明会では「税収の減収にともなって、情報化の予算が削減傾向にあるなか、導入効果を高めていく必要があった」(ビジネスコンサルティング部 第1コンサルティングチーム 課長の櫻井伸仁氏)という、ある自治体のケースが紹介された。次期情報化推進計画、ライフサイクル管理マニュアル、ICT技術標準化指針、ICT人材育成指針の4つの策定を支援し、調達の最適化やシステム間連携における課題解消、職員のスキル底上げなどに貢献できたという。
ある自治体におけるICT戦略コンサルティングの実施内容と効果 |
また、(2)運用管理に関するコンサルティングの事例も紹介された。ネットワンがネットワークを構築後、自社で運用管理を行っていたそのユーザー企業では、運用業務の属人化などの課題が生じていたが、「個別の課題は見えていたが、全体としての可視化はできていなかった」という。そこでコンサルティングを依頼。ネットワンが第3者視点で全体を俯瞰して課題を整理すると共に、改善策を提案したという。
あるユーザー企業における運用管理コンサルティングの実施内容と効果 |
3つめの強化領域であるセキュリティについては、グループ会社のビジネスアシュアランスが中心になって行っていく。システム構築後の運用・教育などPDCA全体にわたり助言できるのが特徴とのことだ。