米ベライゾン・ビジネスグループ 5Gアクセラレーション担当シニアバイスプレジデント ジェニファー・アートリー氏
――5Gの現状に対しては「事前の期待ほどの成果はまだ出ていない」といった声もよく耳にします。通信業界における世界最大のイベント「MWC Barcelona 2023」で、「5Gマネタイゼーション(5Gの収益化)」が大きなトピックの1つになったことも未だ記憶に新しいところです。5Gの先導役を果たしてきたベライゾンは今、5Gのマネタイゼーションについて、どのように考えているのでしょうか。
アートリー 私たちは5Gのマネタイゼーションに自信を持っています。ベライゾンは、パブリック5G、プライベート5G、FWA(Fixed Wireless Access:固定ワイヤレスブロードバンド)、インダストリアルIoTと、非常に堅牢な5Gポートフォリオを持っています。これらポートフォリオ全体で5Gをマネタイゼーションできると確信しています。
例えば、ベライゾンが長年取り組んできたインダストリアルIoTのビジネスは大変順調に成長しています。特にこの2年間、積極的に投資してきたのが自動車分野でした。EVや自動運転へのシフトが進む自動車業界には、非常に大きなビジネス機会があります。この流れにいち早く乗るため、意欲的に活動しています。
比較的新しい領域であるFWAについても、コンシューマー向けと法人向けの両方で、素晴らしい成功を収めています。
例えば法人向けでは、こんな変化が起きています。1年前まで、FWAはどちらかというとバックアップ回線という位置付けでした。しかし最近は有線ブロードバンド回線の代替、つまりメイン回線として採用されることが多くなっています。ワイヤレス回線しか使わない、メインとバックアップ用に2つのワイヤレス回線を契約するといった企業が増えているのです。