MCPC award 2023の表彰者と関係者たち。表彰式には、総務省 総合通信基盤局長 今川拓郎氏、NTTドコモ 代表取締役副社長 田村穂積氏、KDDI 取締役執行役員専務 吉村和幸氏も参列し挨拶を述べた
MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は2023年11月24日、「MCPC award 2023」の表彰式を都内で開催した。MCPC awardは、モバイルシステムの導入により、業務効率化や業績向上、顧客満足度向上などの成果を上げた事例を顕彰するもので、今回で21回目の開催となる。
総務大臣賞とユーザー部門のグランプリを受賞したのは、リブルの「IoTスマート牡蠣養殖プロジェクト」だ。同社はIoTを活用して、牡蠣養殖を行う水産ベンチャー。代表取締役CEOの早川尚吾氏は次のように挨拶した。
「我々の創業メンバーは水産業の経験者は1人もいない。15名を超える人数になった今でも3分の2以上は水産業の未経験で構成された会社だ。こうした水産の経験の浅い我々が養殖にチャレンジしている背景には、IoT/ICTを活用したスマート養殖の未来の可能性を強く信じていることがある。日本においては、水産業は斜陽産業の代表格という見られ方をすることが多いが、一方、世界では成長産業と言われ、年間平均成長率も4%を超える。皆様のお力をお借りしながら、日本の水産養殖業の可能性を少しでも広げていく。そのために我々のように水産に携わったことのない人間でもチャレンジできる水産養殖の世界を作っていく」
総務大臣賞を受賞したリブルの代表取締役CEOの早川尚吾氏(右)と、表彰状を手渡す総務省 総合通信基盤局長の今川拓郎氏
また、サービス&ソリューション部門の最優秀賞には、ugo(ユーゴ―)の「社会インフラサービスを支える業務DXロボットugo」が選ばれた。
ugoは、自律走行が可能な業務ロボットで、警備、点検、介護、物流など幅広い分野で活躍している。
「オフィスビルや商業施設、プラント、発電所、データセンターなど、様々なフィールドで活用いただきながら、日本の社会課題である労働力不足の解決、生産性の向上に貢献してきた。社会実装ファーストに注力した活動の結果、今回受賞できたと感じている」とugo 代表取締役CEO 松井健氏は喜びを語った。
このほか、ユーザー部門のモバイルテクノロジー賞はフジテレビジョンの「東京マラソン 2023中継での5G SAのSLA保証型ネットワークスライシング技術の番組制作活用」、モバイルビジネス賞は南紀白浜エアポートの「「ドライブレコーダー×AI」を活用した空港滑走路診断」、モバイルパブリック賞は長野県伊那市の「交通弱者支援のための次世代型移動サービス「ぐるっとタクシー/市街地デジタルタクシー」」が受賞した。