「グローバルやローカル、環境と経済といった相反する課題を二元論で捉え、どちらかを選ぶのではなく、両方を実現していくのが我々の目指す持続可能な社会だ」
NTT サステナビリティ推進室 担当部長の北大宅勉氏はこう切り出した。
NTT サステナビリティ推進室のチームメンバー。後列中央が担当部長の北大宅勉氏
NTTグループは2021年11月にサステナビリティ憲章を制定した(図表1)。その中心に置く「Self as We」とは、「私とは私たちでもある。他者や環境などがあって我々は成り立っている」(北大宅氏)という自己観に基づく利他的共存の精神を表している。
図表1 NTTグループのサステナビリティ実現に向けたテーマ
さらに2023年5月には、「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」と名付けた新中期経営計画を発表。「新たな価値創造」と「地球のサステナビリティ」の両方を同時に実現していくことを経営戦略として掲げた。
「サステナビリティが我々のビジネスのど真ん中、一丁目一番地になった」と北大宅氏は説明する。
NTTにおいて、サステナビリティとビジネスは相反するものではない。「IOWN構想を世界中に広めていくことが、CO2削減にも結びついていく。また、再生可能エネルギー会社のNTT アノードエナジーを立ち上げているが、このビジネスもCO2削減につながっていく。義務的にサステナビリティに取り組むのではなく、ビジネスの機会と捉えて、しっかり進めている」と北大宅氏は話す。