3~5割の節電が可能、さらにはBCP対策にも
PoEで給電することの大きなメリットは、省エネだという。一般的なAC電源ケーブル経由の給電の場合、アダプタでのAC/DC変換時に電力損失が発生する。一方、PoEの場合は、DCのまま電力供給するので、AC/DC変換による損失が発生しない。このため、AC電源ケーブルで個別に電源供給するより、10%以上省エネできるという。
デスクトップ端末での消費電力比較 |
各機器へPoE給電するCatalyst 4500Eシリーズ自体は、ACとDCの両方の電源に対応。Catalyst 4500Eへの給電をACで行った場合には、もちろんAC/DC変換による損失が発生するが、Catalyst 4500Eと通常のACアダプタでは電源変換効率に大きな差があるため、個別にAC給電するケースと比べると、やはり10%以上の効率化になるとのことだ。
さらに木下氏は、シスコのエネルギー管理ソリューション「Cisco EnergyWise」により集中管理することで、トータルでは「3~5割の省エネ効果がもたらされる」と話した。例えば昼間の時間帯は点灯させる窓際のLED照明の本数を自動で減らすなど、EnergyWiseでは機器単位で電力使用を細かく制御できる。
また、UPSで機器を稼動させている停電下において、例えば防災センターのIP電話機のみに給電するなど、本当に必要な機器だけに給電することも可能なため、「BCPの観点でも役立つ」と木下氏はPoE給電とEnergyWiseのメリットについて話した。
UPOE対応のLED照明(開発:DEP、販売:シャルレライテック) | 1ポート当たり60Wの給電が可能なUPOE機能を搭載したCatalyst 4500E |