NEC、映像・音声でリアルタイムに業務を支援できるウェアラブルコンピュータ「Tele Scouter」

NECは現場業務を支援するためのウェアラブルコンピュータ「Tele Scouter」の新製品を発表した。現場作業員はハンズフリーで、リアルタイムに映像・音声で遠隔地のオペレーターとやりとりできる。また、将来的にはARへの応用も考えているという。

NECは2011年10月17日、現場業務を支援するためのウェアラブルコンピュータ「Tele Scouter」(テレスカウター)の新製品を発表した。2009年10月に発売した従来モデルが抱えていた課題を解決しており、今後、保守点検業務や組み立て業務、物流におけるピッキング業務など向けに本格展開していくという。出荷開始は12月26日の予定。

Tele Scouterは、メガネ型のヘッドマウントディスプレイと小型コンピュータで構成されるウェアラブルコンピュータだ。無線LAN(IEEE802.11a/b/g)に対応し、ヘッドマウントディスプレイ上に表示された映像を見ながら、ハンズフリーで作業が行える。また、専用のカメラ付きメガネフレームや市販のマイク・イヤホンと組み合わせることで、遠隔地のオペレーターと映像・音声で双方向にリアルタイム通話することも可能だ。

Tele Scouterを装着したNEC プラットフォームマーケティング戦略本部 マネージャーの永浜公太郎氏。ベルトに装着しているのが小型コンピュータ
Tele Scouterを装着したNEC プラットフォームマーケティング戦略本部 マネージャーの永浜公太郎氏。ベルトに装着しているのが小型コンピュータ

従来モデルからの改善点は大きく4つある。1つは、ブラザー工業製のヘッドマウントディスプレイ「AIRScouter」の採用だ。これにより、12ポイントの細かい文字も読めるようになるなど、画質・視認性が大幅に向上したという。

2点目はコンピュータ部分の小型・軽量化だ。大きさ・重さともに従来の約半分になっている。重さは約360gで、作業者の腰ベルトに違和感なく装着できるとのこと。

3点目はBluetoothへの対応。これでバーコードリーダーやRFIDリーダーなど各種Bluetooth対応機器との連携が可能になった。Bluetooth Ver.2.0+EDRに準拠し、またプロファイルはSPP/HIDに対応する。

4点目は遠隔業務支援ソフトウェアの製品化だ。これは、現場作業員が見ている映像を遠隔地のオペレーターへリアルタイムに送信するためのもの。オペレーターから作業員のヘッドマウントディスプレイに説明書データなどを送信することもできる。

NEC プラットフォームマーケティング戦略本部マネージャーの永浜公太郎氏によると、Tele Scouterの主な活用シーンとしては、遠隔業務支援や作業指示、ピッキング作業支援が挙げられるという。「作業ミスの撲滅や作業の効率化が実現できる」とのことだ。また、熟練者の技術伝承にも役立つという。熟練者の目線で、その作業を映像として記録することで、ノウハウ化を図るのである。なお、村田機械の ピッキング業務での採用がすでに決まっているという。

Tele Scouterの主な活用シーン
Tele Scouterの主な活用シーン

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