NTT東西の在り方は「変えてはいけない」
NTT法では、第四条で「政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。」と定められており、政府によるNTT株の売却に伴って、NTT法の見直しも議論されることになる。
島田氏は「NTT法が整備されてから、結構な時代が経っており、今の時代にマッチしていない部分も出てきている。その意味では、いい機会になるだろうと思っている」とNTT法の見直しに対してポジティブな姿勢を見せた。
今の時代のマッチしていない部分の1つが、研究開発の開示義務である。「まさに国際競争をしている中で、さらに経済安全保障も強く意識される時代。技術開発の開示義務が定められているが、国際競争力上の課題があると認識している」
固定電話のユニバーサルサービス制度の見直しについても言及した。固定電話の加入者数は前年度末で約1350万だが、「毎年150万ずつ減っており、今でも赤字。固定電話を将来どうしていくのか、そろそろ議論していかなければならない時期になっている」と話した。
ただし、NTT東西が保有する設備の他通信事業者への提供など、NTT東西の在り方自体に関しては、「今回の議論の中で変更されることは想定できない」「また変えてはいけないと我々も思っている」と発言。「(他事業者にも)等しく提供していく、しかも高いレベルのサービスを提供していく義務が東西にはある」と述べている。