ドメイン名とIPアドレスを紐づけるDNS(Domain Name System)は、言うまでもなく、インターネットを支える根本的な仕組みの1つだ。Webアプリケーションにアクセスする際の第一歩がDNSによる名前解決であり、これは当然サイバー攻撃についても同様である。標的型メール攻撃を起点にしたマルウェアのインストールにも、マルウェアとC&Cサーバーの通信にも、当たり前だがDNSが使われている。
「にもかかわらず、多くの人はDNSを水や空気のように無造作に使ってきた。DNSそのものが攻撃対象となっていること、あるいはDNSが攻撃の道具として使われていることは、ほとんど意識されていない」
Infoblox 代表執行役社長の司馬聡氏はこう警鐘を鳴らしたうえで、さらに次のように続ける。
「あらゆるアプリケーションが経由するDNSは、セキュリティ対策の観点でも大変重要なポイント。DNSのところで不正を検知すれば、マルウェアのデータが送信される前に歯止めをかけられる」
Infoblox 代表執行役社長 司馬聡氏
5年後には50億ドル市場へ
InfobloxはDDIソリューションのトップベンダーだ。
DDIは、DNS、DHCP、IPAM(IP Address Management)の頭文字。IPアドレスに関連する様々な課題を解決するのが役割で、グローバルで約1万3000社、Fortune100企業の93%が同社のDDIソリューションを採用している。
つまり、大手企業のネットワーク担当者には知られた存在だが、セキュリティ担当者の認知度は低いと言わざるをえないだろう。インターネットアクセスの第一歩はDNSから始まり、DNSセキュリティ製品も長年提供しているにもかかわらずだ。
こうした現状を打破するため、同社は今年4月、企業ロゴも刷新して新たなブランドアイデンティティの構築に挑み始めた。
「ネットワーキングとセキュリティを簡素化し、統合すること」という使命に合わせ、
ロゴもシンプルなデザインになった
使命として掲げたのは、「ネットワーキングとセキュリティを簡素化し、統合すること」。DDIソリューションの活躍機会をセキュリティ領域でも広げ、DNSセキュリティビジネスを加速させることが狙いの1つだ。
「DNSセキュリティの市場規模は現在、年間15億ドルだが、ある調査によれば、5年後には50億ドル市場へと成長する。DDI+DNSセキュリティには高い将来性がある」と司馬氏は意気込む。