ソフトバンク、WOTA(参考記事:IoTで「持ち運べる」水処理場 ソフトバンクと提携したスタートアップWOTA|BUSINESS NETWORK)、東急不動産、東急リゾーツ&ステイの4社は2023年6月1日、東急不動産が保有し東急リゾーツ&ステイが運営するリゾート施設において、全生活排水を再生循環するWOTAの「小規模分散型水循環システム」を設置し、水道インフラに依存しない新たな分散型水供給システムの構築に向けた実証を5月より開始したと発表した。
過疎化が進む地方自治体のほか、点在する宿泊・レジャー施設をつなぐように水道管が敷設された広大なリゾート施設では、水道管の修繕費用など水道インフラの維持に関する課題がある。4社は、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設で、施設に接続することで全生活排水を再生循環するWOTAの「小規模分散型水循環システム」を活用した実証を行い、リゾート施設が共通で抱える水問題の解決に向けて取り組む。
小規模分散型水循環システムは、WOTAが開発する世界最小規模の水再生システム。排水を欠かさず回収し、膜処理や生物処理、殺菌処理などにより再生、安全に循環利用することができる。独自開発の「水処理自律制御システム」を用い、生活排水の変動に対し水処理を柔軟に制御することによって、大規模処理場レベルの高度管理を実現し、WHO(世界保健機関)基準の細菌・ウイルス除去率での水安全を維持したうえで、様々な生活排水の再生に対応している。
WOTAの「小規模分散型水循環システム」(イメージ)
最初の取り組みとして2023年5~7月(予定)に千葉県市原市にあるゴルフ場「鶴舞カントリー倶楽部」のコース内1カ所に小規模分散型水循環システムを設置し、まずはトイレの排水の再生循環利用を行い、運用方法や可用性を検証する。
その後、「東急リゾートタウン蓼科」をはじめとしたリゾート施設で小規模分散型水循環システムによる全生活排水の再生循環利用を行い、利用者の受容性や安定的な運用方法を検証する予定。
検証結果を踏まえて、将来は、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設にWOTAの小規模分散型水循環システムを展開し、水道インフラに依存しない新たな水供給システムを構築して水問題の解決を目指すとしている。