中国銀聯がmicroSD/NFC採用のインパクト
通信事業者にすれば、SEをSIMカード上に置けば、NFCアプリケーションを完全に管理できる。そのため、携帯電話事業者の業界団体であるGSMAは、SEはSIMカードに内蔵するという「決定」を下している。実はNexus Sと同様、韓国版のGalaxy S2も当初は、本体にNFCチップとSEの両方を内蔵する予定だったが、通信事業者からの要望を受けて、SEはSIMカードに実装する仕様に変更したそうだ。
他方、金融系事業者は通信事業者のコントロールから逃れるため、SIMカード以外へのSEの実装を望む。
すなわち、SEをどこに実装するかがNFCをめぐる覇権争いの1つの焦点となるわけだが、中国唯一の決済ネットワークである中国銀聯は先般、NFCチップとSEの両方を搭載したmicroSDカードを使ったAndroid向けNFCモバイル決済サービスを発表した。超巨大マーケットである中国でこのような決断がなされたインパクトは、もちろん計り知れないほど大きい。次回は、中国銀聯のNFCプロジェクトについて紹介する。
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