<特集>IOWN時代、はじまる【IOWNのトリセツ】新たな価値生む「確定遅延」とは?

IOWNの商用サービス第一弾「APN IOWN1.0」の目玉は、数ミリ秒以下という低遅延に加えて、「遅延を確定させる」点にある。通信アプリケーションの作り方と使い方を大きく変える可能性を秘める。

写真:iStock / metamorworks

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2019年5月にIOWN構想が発表されてから4年弱、第一弾の商用サービス「APN IOWN1.0」(以下、IOWN1.0)の提供がついに始まった。

IOWN構想は、現在の通信ネットワーク、そしてコンピューティングの領域も含めたICTインフラを抜本的に変革しようとする壮大なものだ。その第一歩となるIOWN1.0は、IOWNの構成要素の1つであり、全区間を光のまま伝送するオールフォトニクス・ネットワーク(APN)技術を用いた100Gbps専用線サービスだ。

APNについて、2030年までに達成すべき目標としてNTTが掲げたのは図表1の3つである。

図表1 IOWN APN が目指す目標

図表1 IOWN APN が目指す目標

IOWN1.0はこのうち、エンドツーエンド(E2E)の遅延を200分の1に抑えるという低遅延化の目標を早くもクリアした。3つの中でも特に、現在のICT業界で需要の大きな「低遅延」にフォーカスして、IOWNの可能性を世に問うものと言うことができよう。

ロボットの遠隔制御・操縦、自動運転、VR/ARといった遅延要求が非常に厳しいアプリケーションの社会実装と普及には、クラウドやサーバーの処理遅延も含めたE2E遅延を圧倒的なレベルで短縮する必要がある。現実空間とサイバー空間を連携させるデジタルツイン、サイバーフィジカルシステムやメタバースも同様で、高速大容量と低遅延を兼ね備えたネットワークへのニーズは今後ますます高まる。

IOWN1.0はそこに、これまでの光ネットワークでは不可能だった通信性能を提供することができる。

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