JALがMVNO開始、携帯料金100円ごとに最大7マイル貯まる

日本航空ら3社がMVNOサービス「JALマイルフォン」を開始する。特徴は、携帯電話の利用料金100円毎に最大7マイルが貯まること。MVNOを活用したマーケティング手法として、企業からも注目を集めそうだ。

日本航空インターナショナル、インフォニックス、KDDIの3社は2010年5月18日、携帯電話の利用料金100円毎に最大7マイルが貯まる携帯電話サービス「JALマイルフォン」を開始すると発表した。サービス開始は6月1日から。販売はJALマイルフォンの公式Webサイト限定で、5月18日から始まっている。

JALマイルフォンは、KDDIのau携帯電話インフラを活用したMVNOだ。その最大の特徴は、毎月の利用料金の額に応じてJALのマイルが貯まること。貯まるマイル数は利用料金に応じて変化し、月額利用料金(税別)が0~2999円では100円毎に1マイル、3000~7999円では同3マイル、8000円以上だと同5マイルとなっている。さらにJALカードで利用料金を支払うと2マイルが加算されるため、最大では100円毎に7マイルとなる。例えば、1カ月の携帯料金が5000円のユーザーなら1年間に3000マイル、1万円なら8400マイル貯まる計算だ。

また、オリジナルコンテンツとして、JALの空席照会や予約・購入がクイックに行える専用アプリやモバイルサイトなども提供。携帯電話としての基本サービスはauと同様で、端末はシャープ、東芝製など5機種、19カラーが当初用意される。

(左から)KDDI グループ戦略統括本部 新規ビジネス推進本部 事業開発部長の新居眞吾氏、日本航空 執行役員 旅客営業本部長の藤田直志氏、インフォニックス 代表取締役社長の淺野浩志氏

今回のMVNOサービスは、3社の協力により実現されたものだ。その役割分担だが、日本航空がマイルやスペシャルコンテンツ、KDDIが携帯電話インフラなどを提供し、JALマイルフォンの販売やサポート、事業運営はインフォニックスが行うかたちである。インフォニックスはMVNO支援サービスを提供するMVNEで、MVNO事業を引き受ける「SELECT MOBILE」サービスを展開している。SELECT MOBILEを利用したMVNOとしてはJALマイルフォンのほか、「Tigersケータイ」や「GIANTSケータイ」、「ECナビケータイ」がある。

日本航空 執行役員 旅客営業本部長の藤田直志氏は、JALマイルフォンを始める目的について、「新しいJALのファンを獲得していくため」と説明。日本航空は現在、公的資金の注入を受けて経営再建中であることから、記者からは「JAL側のコスト負担はあるのか」との質問が出たが、マイルは有償でインフォニックスに提供するかたちのため、マイルに関してJALのコスト負担はないという。また、「なぜこんなに多くのマイルを提供できるのか」と問う声に対しては、「新しく携帯電話会社を作るわけではなく、またGIANTケータイなど他のMVNOもSELECT MOBILE上に載っているので規模の経済が働き、非常にローコストでサービスが提供できる。さらに、販売面でもWeb直販のため、量販店で販売するような高いコストは必要ない」とインフォニックス 常務取締役の藤田聡敏氏は答えた。

JALマイルフォンの初期ラインナップは5機種19カラー。左は端末が入るJALマイルフォンの化粧箱

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