NTT西「QUINTBRIDGE」1周年 2年目はスタートアップ投資を強化

NTT西日本は2023年4月25日、同社が運営するオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」の開業1周年の成果報告会を開催した。1年目は多くの法人・個人会員の参加を得て早くも成果を出したが、2年目はスタートアップへの投資強化やNTT西日本との共創強化などを通じ、さらなる飛躍を目指すという。

QUINTBRIDGEは2022年3月24日に大阪・京橋のNTT西日本の本社敷地内に開業。ウェルビーイングな未来社会の実現を目標に掲げ、共創で業界・地域課題の解決と、未来社会の創造に取り組むための施設だ(参考記事:「西日本発グローバルへ」NTT西日本の森林新社長が経営方針)。

3フロアにシェアオフィス、ワークショップスペース、100人収容可能なオープンスペースなど充実した設備を持つ。スタートアップを中心とした企業や自治体、大学などの団体や個人が会員となり、オフィスとして利用するだけでなく、ピッチイベントをはじめとしたプログラムを通じて相互に交流し、新しいビジネスを共創していくための施設である。

大企業とスタートアップとの共創を実現

「QUINTBRIDGE」外観

QUINTBRIDGE外観

登壇したNTT西日本 代表取締役社長 社長執行役員の森林正彰氏は、法人会員について「最初は200組織を集めるつもりだったが、1年間で670組織が会員になった」と、想定を遥かに上回る成果を喜んだ。そのうち68%がスタートアップであり、「大企業とスタートアップとの共創はここでやりたかったこと」と、森林氏は手応えを口にした。

QUINTBRIDGEの法人会員構成

QUINTBRIDGEの法人会員構成

また、個人会員は1万270人を数える。30・40代を中心に幅広い年齢層から参加があり、常時300人ほどが実際に施設を利用しているという。

森林氏が「QUINTBRIDGEは連携を大切にしている」と言うとおり、他のオープンイノベーション組織やベンチャーキャピタル、地域金融機関など46組織と連携。連携先は関西が中心だが関東の組織も多く、世界中の組織との連携も視野に入れているという。

「学び」を大切にしていることもQUINTBRIDGEの特徴に挙げられる。1年間でイベント・プログラムが384回開催され、そのうち約6割が会員が主催あるいは共催するものだった。のべ利用者は7万2000人におよび、「こうしたことが共創につながる」と森林氏は胸を張った。

関西市場の活性化も強く意識する。スマートシティ、AIなど各分野の有力な全国のスタートアップのピッチへの登壇や、学生参加によるコンテストの開催、関西の各組織と連携したオープンイノベーション推進、さらにはIOWNなどのテクノロジーショーケースなどの取り組みを通じて、関西におけるスマートアップエコシステムの発展に取り組んでいる。

NTT西日本としても、参加企業との共創がサービスのバージョンアップにつながる。ビジネスチャットサービスの「elgana」に対しては3社のアイデアが採択され、 防災・危機予測ソリューションを提供するSpecteeとの連携はすでに事業化されている。今後もこうした共創による社会実装を進めていくという。

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