スマートフォン/タブレット型多機能端末でビジネス改革[第1回]――「試験導入の壁」を突破する

“ポストPC”として急速な普及が見込まれるスマートフォンとタブレット型多機能端末。それは、ビジネスユースとて例外ではない。本連載では、これら次世代情報端末の導入方法と運用時の留意点などを説明する。

時代が求めたデバイス

次世代情報端末の活用に企業の関心が集まった背景には、クラウドコンピューティングの浸透がある。

ネットワークの先にあるサーバーで処理を行うことが主流となるクラウド時代において、デバイスに求められる要素は高速なCPUでも膨大な容量のHDDでもない。クラウド時代のデバイスに求められるのは、(1)直感的で柔軟なユーザインタフェース、(2)多種多様な入出力機能、(3)高性能な通信機能、(4)携帯性の4つである(図表1)。次世代情報端末はこの4つの要素が、従来のデバイスに比べて高い水準にある。クラウドの浸透が次世代情報端末の普及を促進し、また次世代情報端末の普及がクラウドを促進する形となる。

図表1 クラウド時代の情報端末に求められる要素
図表1 クラウド時代の情報端末に求められる要素

端末の位置付けについて考えるには、図表2をご覧いただきたい。

図表2 ワークスタイルの改革を行う際の検討の軸
図表2 ワークスタイルの改革を行う際の検討の軸

「システム」は、「戦略」を実現するために構成された「組織・人」や「業務」を支える基盤となるテクノロジーである。組織・人や業務、システムによって実現する一連の企業活動は、「自社オフィス」「サテライトオフィス」「外出先」といった「場所」で取り行われ、ワークスタイルを創出する。次世代情報端末などの「デバイス」はシステムを構成する一要素であり、組織・人や業務に最も近い位置にある。

現在、このUIデバイス層が周辺の業務やシステムのあり方に影響を与えるほど急激に変化している。これが、クラウドと次世代情報端末の普及によりワークスタイルが変わると言われている理由である。

中西栄子(なかにし・えいこ)
日立コンサルティング シニアマネージャ。CRM領域における業務改革・システム改革、最新IT技術に関わる新規事業立上げなどを中心としたコンサルティング業務に従事。通信業界・製造業界・インターネット業界などのクライアントを対象とし、多数のプロジェクトを統括してきた。現在「次世代情報端末・活用コンサルティング」をリード

小宮大輔(こみや・だいすけ)
日立コンサルティング コンサルタント。新規事業に関する市場分析やSaaS領域におけるコンサルティング業務に従事。現在は次世代情報端末・活用コンサルティング業務に携わる。「次世代情報端末の市場動向と市場ニーズ」「次世代情報端末の活用について」などのテーマで講演・セミナ講師も務めている

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