「アプリストア時代の役割は何か」で欧州のオペレータ3社が議論、ネットワーク効率化も課題に

米Appleや米Googleがアプリケーションストアを展開するなか、オペレータの役割は何か?――スマートフォンによりオペレータのダムパイプ化が指摘されているが、単なるパイプとならないためにも、アプリストアのエコシステムに参加することは戦略的といえる。

トラフィック問題に解決策はあるか?

後半のパネルの中心テーマはネットワークトラフィックの効率化となった。アプリケーションの利用が増えているだけでなく、アプリケーションで動画が利用される傾向が強くなっており、ネットワークへの負荷が増している。ここでの課題は、1)データ定額制を見直す必要があるのか、2)ネットワーク効率化の取り組み、などが考えられるが、パネルでは、2)が中心となった。

英国で「iPhone」を提供するO2のField氏は、「効率化は簡単な問題ではない」と苦笑しつつも、対策はいくつかあると続ける。Field氏が挙げたのは、アプリケーション開発の段階でスマートさを加えてネットワーク最適化をアプリ側に組み込むことだ。開発者はエンドユーザーのエクスペリエンスを改善できる。「オペレータだけでなく、エコシステム全体にメリットをもたらす」とField氏。だが、現時点ではオペレータは概して関心を示していないという。「集合的な取り組みが必要だ」と主張した。

OrangeのGurrola氏もField氏の意見に同意し、「帯域とシグナル、両方が問題だ」と述べる。そして、サードパーティのアプリケーションが原因で音声通話の成功率が10%にまで下がったという韓国KTのネットワーク障害事例を紹介した。この問題は、オペレータを中心とした業界団体GSM Associationの会合でも大きく取り上げられたという。オペレータ全体で開発者コミュニティに働きかける方向で話が進んでいると報告した。

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