事業継続を実現する5つの要素とは ―― エキスパートが指摘するBCP策定・実行のポイント

(4)危機管理コミュニケーション
災害発生時にメディアなどを通して企業の状況を公開する危機管理コミュニケーション計画においては、次の2つが大切になる。まず、担当スポークスマンと担当チームを定義しておくこと。さらに、重要なメッセージを予め用意しておくこと。災害時には稟議プロセス等を通している暇はなく、こうした対策によりタイミングよくメッセージが出せる。

(5)インシデント管理
上記(1)~(4)の要素がバラバラに散在していることが多いが、これらを企業全体で連携させるためのマネジメントが重要になる。企業全体での取り組みが何よりも必要で、部門横断的にインシデント管理チームを組織し、メンテナンスと訓練を継続することで(1)~(4)が散在する「サイロ型」の事業継続プログラムから脱することができる。

マインドマップをBCPに活用

また、フェルプス氏の講演に続き、マインドジェットの渡邉安夫エバンジェリストが、同社のマインドマップ作成ソフト「MindManager」を活用したBCP策定方法を紹介した。

同氏は、事業継続計画の策定に当たり、「まずマインドマップ上で全体観を作り、実行プロセスを切り出す形で作業を進めることで、複数のメンバーや組織間で計画書を作成する過程を共有することができる」と説明。また、MindManagerでは、特定の項目に必要な文書や情報を添付することが可能で、プロセスの各段階でアクセスすべき情報がすぐに参照できる。

「MindManager」を活用した事業継続プランニングの例(クリックして拡大)

通常、事業継続計画は文書にすれば数百ページもの大部になり、そうしたテキスト文書をベースに組み立てると、作成過程の共有や、実際にBCPを実行する場合にも必要な情報の参照が難しくなる。渡邊氏はマインドマップを活用することで、「BCPの策定・管理・実行に関わるメンバーが自律的に行動し、またマニュアル外のイレギュラーな事態が発生した場合の対応力も身につけることができる」と、その効果をアピールした。

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